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「免疫力」について知ろう その1

2013年1月29日 12:43ガンと免疫

「抵抗力」には単純に病気に罹りにくいだけではなく、病気に罹った場合にそれと戦う力も含まれています。つまり、自然治癒力を高めることが低下した身体機能を回復することであるのに対して、免疫力を高めることは身体機能をさらに強化し、戦う力をつけることと言えるでしょう。しかし、最近は免疫力が低下し、はしかに二度罹ったり、老人の結核患者が増えているという報告があります。もちろん癌の発生や予後にも大きく関与していくわけですが、こうしたことにしついて、「免疫力」という観点から人間の生体防御について少し学んでいきましょう。

そもそも免疫力とは一体どのようなものかといいますと、例えば、風邪に罹ったとき、まず鼻水やくしゃみが出ます。それは風邪のウィルスが口、のど、目鼻などで暴れている状態なのですが、この状態ではまだ厳密に言えば風邪は「ひいていない」のです。この状態からウイルスが防衛ラインを撃破して体内に侵入してきた時が本当に風邪をひいた状態となります。そしてここから免疫機構が働きます。この免疫機構に関与するのが「免疫細胞」といわれているものです。例えばこのまま風邪と免疫が戦うメカニズムをみていきますと・・   


① まずいろいろな免疫細胞の中からまず、マクロファージといわれる免疫細胞がが風邪のウィルスを食べて殺し、さらにNK(ナチュラルキラー)細胞がウィルス感染細胞を破壊し、最後にマクロファージが感染細胞を食べて掃除します。   

② 司令の役割を担う細胞であるヘルパーT細胞は、「殺し屋」キラーT細胞に命令してウィルスと戦わせます。高熱が出て咳も激しくなっている時はこの状態のなのです。(だから熱を下げすぎてはいけないのです)   

③ その一方で、ウィルスに対抗する抗体をB細胞(免疫作り職人)に指示して生産させ、これでウィルスを撃破します。この戦いでウィルスに勝てば風邪は治ります。それと同時にT細胞、B細胞がこのウィルスの情報を記憶し再侵入してきたときには、跳ね返すようにします。これがいわゆる「免疫ができる」ということですね。

わかりやすい例として今回は風邪をあげましたが、このように免疫細胞は、常に身体の中で病原菌と戦い続けています。しかし、環境の変化やストレス、食生活の欧米化などによって私たち現代人の免疫力は近年大きく低下していることが叫ばれています。風邪だけの話ではなく、多くの病気にかかわる免疫をつけていく知識が必要になりますね。
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