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心に突き刺さったある妊娠希望のお客様の言葉

2013年6月25日 15:36子宝相談の中で感じる事

昨日こんなお客様とのお話がありました。

お客様は40代前半の女性。
お客様のお悩みはできるだけ早期の子宝を授かる事。

3年ほど前から婦人科での不妊治療を始められ、排卵誘発剤、いくつかのホルモン剤の内服や注射を繰り返しながら幾度かにわたる人工授精、体外受精にもチャレンジされました。しかし良い結果には恵まれず。

内服剤や注射は回を追うごとに卵の生育の効果が弱くなり、仕方なく次第に量を増やす事に。少しずつ副作用が表れても「子供を授かる為に」と歯を食いしばってだるさや吐き気に耐えたそうです。

しかし数ヶ月前、ついに薬の量もこれ以上は使えないという量に達し、体は副作用とストレスでボロボロに。精神的にも危険な状態という診断を受けて心療内科にも通い始められましたがここでも多くの薬を出され、処方箋を握りしめたまま怖くなって帰ってきてしまったそうです。

「もう体に悪い薬は飲みたくない」

こういうお気持ちからお住まいのお近くになる有名とされる漢方薬局さんへワラをもつかむ思いで行かれたそうです

しかし今度はこの漢方薬局さんで2ヶ月分の漢方薬としてなんと8万円を越える金額を請求されたとのこと。しかも内容も化学薬品で疲れ果てた腸には刺激になるようなものばかりの上に「効果を高める為に当店では2倍量を飲んでもらっています」と言われ、その通りにしたところ、胃腸の障害が即日から出始めることに。

これはとても飲めない、と漢方薬局さんに「辛い」と訴えたところ、「漢方は体が慣れれば大丈夫です。うちはこのやり方で結果を出していますから」と言われ、お客様はまた辛い思いに耐えながら痛む胃腸を抑えながら服用を続けたそうです。

そして先週の週末。メールで当店にお問い合わせをいただきました。長い文章にはお客様のこれまでの辛い経過が丁寧に、綴られており、最後に

「漢方薬局さんでは皆このような処方になるのでしょうか

この言葉に私は言葉がありませんでした。

漢方薬は多く飲めば効果が増す、という単純なものではありません。その方に適した量を超えれば医薬品である以上、こちらのお客様のような副作用が出る事もあります。重篤なものでないにせよお客様に辛い思いをさせる事は間違いありません。特に子宝相談に用いるものは胃腸に障るものが多く、それでなくとも分量にはいつも気を使っております。

もちろんプロとはいえ、分量を見誤る事が無いわけではありません。しかし、そういった問い合わせを受けた場合に、少なくとも私であれば減量、あるいは中止をまず視野に入れます。ましてやいきなり4種類も5種類も明らかに副作用が出る可能性が高いようなものを倍量飲むように指示しておきながら「体が慣れるから」などとは絶対に言いません。言えません。

それぞれの先生により、処方についての考え方は異なりますのでこちらの漢方薬局さんの処方についての批判をしたいわけではありません。しかしこの対応について、私の目の前で涙を流しながら「辛かったです」とお話しになるお客様を見て、怒りを抑える事ができませんでした。

確かにお客様のご年齢を考えれ、できるだけ早期の結果を出して行きたいという意向は理解できますが、「漢方健康相談薬局」という看板を掲げている以上、そして子宝相談というきわめてプライベートで繊細なご相談に応じている以上、あくまでもお客様の傷つき、疲れ果てたお身体とお心を癒す漢方薬をまず考えなくてはいけない、と私は考えます。

そして我々は「漢方薬局さんでは皆このような処方になるのでしょうか」というお客様の切実で、しぼりだすような言葉の意味を考えなくてはいけません。

私の処方がこちらのお客様に取っての最適なものであるかという100%の保証はできませんが、少なくとも私は自分の手の届くところにおられるお客様を笑顔にして差し上げられる漢方の構成と健康相談を第一に考えて行きたいと思います。

遠方からわざわざお越しいただき、「相談に来てよかったです」と笑顔でお帰りになられたこちらのお客様に接し、改めてその思いを強くいたしました。
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