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漢方薬はまずいもの という意識、もっていませんか?

2013年1月 8日 14:59

 
お子さんに漢方薬をどうやって飲ませたらいいの?というご相談をよく受けますが、基本的に漢方薬はそのまま少量ずつでもいいのでスプーンにとってパクリと食べさせてあげてください。親御さんが思っておられるほどお子様は嫌がりません。

むしろ「苦いよ」「美味しくないよ」という親御様の思い込みが気持ちとなってお子様に伝わり、それが結果としてお薬を飲めないという事態につながります。

実は漢方薬の場合、化学合成された薬品の場合とは全くお話が異なります。

... 化学薬品はあくまでも人工的に合成されたものであり、口に含みますと「異物」として認識され、吐き出したくなるような不快な味が口の中に広がります。いちご味などでコーティングされた抗生物質などをしばらく口の中に含んでみるとよくわかると思います。

しかし一方で漢方薬は生薬由来のものですので言ってしまえば「食べ物」です。体調不良の際に飲む漢方薬は見立てが正しければ苦味は弱く、スッと体の中に取り込まれていきます。これは体がその成分を欲しているからです。見立てが間違っていればそれは体にとっては余計なものであり、例えば肉料理が続いた時に脂っこいお肉を食べたくないのと同じように体は拒絶してしまいます。

風邪の初期に症状がぴたりと合っている時に湯でといた葛根湯をゆっくりと口に含むと何とも言えない美味しさを感じます。

これは小さなお子様ほど顕著で、特に3~4歳くらいまでの間にきちんと漢方薬の「自然の薬の味」を覚えたお子さんは抵抗なく、むしろ「美味しい」と言いながら漢方薬を飲んでくれます。それはあくまでも「自然」なものであるからです。

急患当番をしている時にいつも思いますが、生後ほんの一ヶ月くらいで病院に赤ちゃんを連れてくる親御さんがなんと多いことでしょうか。ちょっと鼻が出ている、微熱が出ている、それだけでお母さんからいただいた免疫がまだまだ残っている段階で抗生物質などを無理やり飲ませることは決してその後の人生に良い影響を及ぼさないと考えています。

何かとあればすぐに消毒、殺菌。
こういう過剰とも言えるお子様への意識は愛情からくるものではあることはよくわかりますが、結果としてそのお子様の体を弱らせ、抵抗力を奪い、病気がちな体をむしろ作る手伝いをしているようなものです。

お子様を心配するお気持ちはよく理解できますが、お子様にとって何が最も健康増進のために必要であるか、それをどうか考えていただきたいと思います。そういうお気持ちを持ってはいるがどうしたらいいかわからない、という親御様はどうか是非一度ご相談くださいませ。
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