ペットの糖尿病対策!
2008年7月 5日 16:24ペットの糖尿病対策!
最近では獣病院の検査レベルが昔と比べて大きく向上したこともあり、ペットの成人病が浮き彫りになっているように感じます。
中でもペットの糖尿病は件数として非常に多く、注目されている疾患です。
ペットの病態というのは人間社会に比例するものですが、ペットの成人病は私たち人間の不規則でアンバランス生活がそのまま映し出されているような気がしてなりません。
ワンちゃんやネコちゃんでも基本的に糖尿病対策は同じものになりますが、まずは原因について追求します。症例として多いのは、過食や寝不足などによる肝機能の低下→循環機能も低下し、血液がドロドロになる→新陳代謝が悪くなり、体に老廃物が溜まる・・このパターンでしょう。
体質的な発症例もありますが、ほとんどはこの悪循環により、知らず知らずのうちに糖尿病に罹っていた。というケースです。(ストレスの溜まりやすいワンちゃん、ネコちゃんが特になりやすいようです)
ご存知のとおり糖尿病は 初期は症状がほとんどなく、かなり進行してからさまざまな合併症を発現させます。失明や足の切断など命にかかわる恐ろしい合併症もありますのでできるだけ初期の時点からの対策が重要になります。
漢方による対策として私がタイプ別に講じているのはーー
①糖分と脂質の代謝障害から インスリンの働きが悪くなる
(インスリン抵抗性の糖尿)
→これは血液の汚れにより引き起こされるケースが多いため、いわゆるお血剤などを用いていきます。
②ストレスにより悪化する(アドレナリンや副腎皮質ホルモンが大量に出るため高血糖状態が続く )
→これは肝鬱とよばれるタイプで、加味逍遙散や牛黄などの法剤を用います。
③尿量増加、組織の水分不足(口が渇く、手足のほてり、熱感、皮膚の乾燥かゆみ、痩せる)
→いわゆる漢方で糖尿病を呼ぶ時の「消渇」(しょうかち)というパターンですが、これは陰虚という体質としてとらえることができ、法剤としては八仙丸、知柏地黄丸、杞菊地黄丸などを用いていきます。
このように、タイプをまずしっかりと分類し、それに応じた法剤を正しく使っていくのが改善へとつながります。
糖尿病の漢方治療は感知させるのが難しい病気である上に、なかなか眼に見えた効果が出づらいものですが、しっかりと継続を続けていくことが一番大事になります。諦めずに毎日の服用を徹底してあげれば合併症を防ぎ、元気で長生きすることがきっと可能になります。
とにかく糖尿病の治療は発見からできるだけ早めの治療を開始するのが鉄則です。
まずは一度ご相談ください。