つい先日の「父の日」、毎年の恒例と言うこともございまして日ごろお世話になっている大先生(父)に何かプレゼントでもいかがなものか、と思いまして。

今年は何にしましょうか。
ここ数年の父の日にプレゼントしたものが頭に浮かびます。

小銭入れ、甚平、ゴルフのグローブ・・・
なんだかんだで毎年色々と考えてプレゼントしておりますが例外なく一度も使われているところを見たことがないのがミソです。

実はこの文章、実は父の日の前に書いていたのですが書いてる途中でプレゼントする意欲が消滅し始めましたので慌てて記事を差し替えまして　父の日が終わった今日、今改めて書いております。

と、いうわけで今年のプレゼントは「アバクロのポロシャツ」でした。

アバクロ、というのはアメリカでいうところのユニクロのような服飾メーカーで日本では正規販売店が存在しないため、手に入れるのは少々面倒です。ですが日本では人気が高く、デザインも個人的には好きな服が多いものでして。

ある程度苦労して手に入れる方が喜びも大きいかな、と思いましてアメリカのアバクロサイトに直接問い合わせて通信販売で購入しました。購入から手元に届くまでを調べましたところ父の日の前日の到着の予定。これは危ない、ギリギリのところでした。

父の好みを考えながら薄いオレンジのポロシャツをウェブサイト上で選択し、なれない英語を何とか解読しながら必死に注文しました。父の身長は私より１０センチほど低く、アメリカサイズなので私が普段来ているＳサイズを注文しました。

そして約１週間後。

私の薬局にダンボールに梱包されたポロシャツが届きました。

なぜか私のジーンズとポロシャツまでが同梱されていましたがおそらくＮＡＳＡの陰謀とかでしょう。身に覚えがございません。

それはさておきオレンジのポロシャツが出てきました。
なかなか良いデザインです。

「大先生、これ父の日のプレゼントです」

毎年サプライズで渡しているのでちょっと驚いた顔をされますが

「おお、ありがとう、大事に使わせてもらうよ」

嬉しそうな顔を見れるのでこの瞬間が好きです。たとえ３年連続でプレゼントを一度も使われることがなかったとしてもです(見たこともないような感情のない笑みを浮かべながら)。

「早速着てみてよ」

「おお、ポロシャツか　どれどれ」

真新しいどことなくアメリカの香り漂うポロシャツに目を細めながら着ていたＹシャツを脱ぎ、Ｔシャツの上からポロシャツに手を通し首を通ひっかかりました。

・・・あれ？

「お、なんか・・・つまったぞ」
「つまったね」

両腕を通したところで完全につまりました。
全く頭が通りません。なんということでしょう丈は充分すぎるほどでしたが私の予想を遥かに超えた脂肪の存在を失念していました。

しかしここで引き下がるわけにはいきません。

「だ・・大丈夫だよ、ほらちょっと力を入れれば・・・」
「あたたたたたたたたたた」
「大丈夫・・・ほら・・・とおってきた・・」
「痛い痛い痛い　なんかスジ外れた！」
「ノープロブレム」

メキョッとおかしな音がしましたが全く問題なく父の体にポロシャツがフィットしました。

「おおーーーー大先生似合うよ！！」

どこからどう見ても出産直前のペンギンみたいになってしまいましたがここで引き下がるわけにはいかないんです。もう後がないんです。当方切実です。

首のスジをちがえているせいで声を上げられずに悶絶している父を見ながらとりあえず褒めちぎります。これだけ褒めておけば大丈夫、父の日、喜んでもらえたはず。

その後　突貫工事なみの勢いでポロシャツを脱がせた後で「首がぁ首がぁ」と悶絶する父に「いつもお世話になっています、ありがとうございます！」ととどめのコメントを浴びせかけました。これで大丈夫、父の日は大成功です！ありがとう！サンキューマイファザー！フォーエバー！！

翌日　そのポロシャツ　弟が着ていました。