「ただいま！見てくれこのフンワリ具合！」

と、いうわけでフンワリサラサラストレートヘアーに憧れていたはずの友人藤本君がフンワリフワフワアフロヘアーで現れたところから後半は始まるわけですが。

「うぉい！」と突っ込むべきなのか、「いやあなかなか良く似合うね」とのっかるべきなのか、渾身の力を込めて殴るべきなのか、彼自身がどこへ向かっているのかいまひとつ理解できないために満面の笑みを浮かべて私の前に立つ彼に対してどう接したらいいのやら悩んでしまいます。

とりあえず「あ、ああ。随分ズバッとイメチェンしたんだね」と極力当たり障りのないようにコメントしてみました。

「だろ？やっぱり個性が大事かな、って思って。どうかな？似合う？」

そう言ってクルッと回って見せてくれる藤本君。
似合う似合わないは別として個性を大切にしたいという彼の思いは必要以上に伝わってきます。

「いいんじゃないか・・な」

彼の笑顔に答えるべく親にも見せたことのないような作り笑顔を作ってみせます。

「いやあ正直カタログ見ながら凄く悩んだんだよね、ストレートも気になってたし。でも美容師さんのアドバイスでこっちに最終的に決めてみたよ！」

その美容師さん、きっととてつもなく嫌なことでもあったのでしょう。そうでなければちょっと私的には理解ができません。

しかし思いのほか髪型がお気に入りになった様子の藤本君。すっかりご機嫌で

「これで生まれ変わったつもりで今日からガンガン攻めていこうと思うよ！」

と、ノリノリです。そうですね、生まれ変わるというより雛でも生まれてきそうですが本人が気に入っているというのは何よりです。ああ、あんまり髪の毛を揺すると綿毛が飛ぶから！

その後、「さわってみろよ」と言ってくれる藤本君の好意を必死で遠慮しつつこの場は終了しました。

ブログでこんなこと全開で話して藤本君が知ったら気分を害するんじゃないの？と思われた方もおられると思います。ごもっともですが数日後、彼とお酒を飲みに言った際に飲みにかまけて全て激白してしまいましたのでこの件に関して基本的に怖いものとかもう存在しません。

藤本君、殴るなら殴れ！さあ！(大の字に寝そべりながら)