電車に乗っていると色々な話が自然と耳に飛び込んできます。
その中からちょっと面白かったので頭に残っていたお話を今日はひとつ。

話していた人は２０代半ばくらいのサラリーマン男性２人組。

サラリーマン１「なあ聞いた？吉田(仮名)の話」

サラリーマン２「吉田？「マスクマン」だろ？どうかしたの？」

この時点でちょっと気になりました。マスクマンというのがニックネームの同僚さんがいらっしゃるようです。

１「ああ、知らないのか、この前　彼が重役会議に呼ばれたのは知ってる？」

２「あ、そういえば課長がすごいおかんむりで帰ってきてたな、何をやらかしたの？」

１「それがさー　まさにあいつは「マスクマン」だったって話でさ！」

ここまでではいまひとつ話が見えてきません。
もう少し話を聞いてみることにしました。

２「え？まさかあいつ重役会議にあのマスクで行ったの？」

１「そうなんだよ！あの物凄い高いヤツ！しかもそれだけじゃなくてさ！」

少し見えてきました。
どうやら「マスクマン」はおそらくこのインフルエンザ騒ぎに乗じてお名前のとおりマスクを四六時中つけている方のようです。それも普通のマスクではなくかなり高額で形もごついマスクを着けられている模様です。

２「物凄い高いも何もあれほとんどガスマスクだろ」

ガスマスク！？頭にガスマスク姿で出社しているサラリーマンの絵が浮かびました。
俄然興味がわいてきます。

１「そうなんだよ！でさ、さすがに会議で突っ込まれたらしいのよ「君、それは一体何かね？」って」

２「そりゃそうだろうなー」

１「そしたらあいつ「マスクですが何か？」って即答したらしい！」

２「すげー！」

確かに怖いもの知らずにもほどがあります。というよりクビになるよりインフルエンザのほうが怖いということなのでしょうか。いずれにしろ凄いけど賞賛しづらい所業です。

１「そしたら当然のごとく「上司に向かってなんだその口の聞き方は！マスクなんぞ外せ！」と怒鳴りつけられたらしいのね」

上司としては当然のリアクションです。

２「まあ当たり前だなぁ」

１「そしたらさ　アイツなんて言ったと思う？」

２「さあ？」　　　　　さあ？

１「ドン！とテーブル叩いて「じゃあここでマスク外して皆さんの中のどなたから新型インフルエンザに感染して会社休んであげく入院して死亡したら会社は保証してくれるんですか？！？！？！」と絶叫したらしい」

何と言うことでしょう！こんなところでうっかり侍を見つけてしまいました。ガスマスクを着けながら上司に向かって叫んでいるその様はまさに日常ギリギリのラインです。

あくまでも私の予想ですがこのお話の方は先日の全国的なマスク欠品騒ぎの時にこのガスマスクのようなマスクを購入されたのではないでしょうか。ネットで確認しておりましたが数千円から数万円のインフルエンザ対策用マスクが売られているのを見て驚いた記憶があります。

そんな高価なマスクを着けているうちにだんだんと「せっかく高いマスク着けてるのに感染したらたまらないはずしたくない」という思いがわいてきたのではないでしょうか。

その昔　一時期テニスにはまった時に対して上手くもないくせにプロが使うようなテニスラケットを勢いで買って全く扱えず(むしろラケットに拒絶された気すらします)にすぐに家の倉庫に送る羽目になった苦い記憶が蘇ります。

しかし自分の確固たる意思とそれを突き通す今時の日本人に珍しい(ある意味で)筋の通った方ではありませんか！その方向性は別としても私としては評価したいと思います！

１「その直後に「そのための社員保証制度というのがあるんだがね」と言われて次の週に苫小牧に転勤決定」

んがくく。