ボクシングレッキングクルー
2010年9月25日 13:23(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記
私が見た目にそぐわずボクシングをやっている、というのはお客様には意外と知られている事実です。
私の住んでいる駅の隣の駅にありますこのボクシングジム。
会長は元世界チャンプという素晴らしい経歴を持っておりますが、引退した今ではフレンドリーなおっちゃんと化しており、アットホームな雰囲気の中でプロ、練習生共にのびのびと練習しております。
私も通い始めて間もなく2年が過ぎようとしておりますが、週に3回程度という大した回数の通いでもないわりに皆、親切に接していただいておりますのですっかり馴染んでいます。
そんな私の通うボクシングジムですが、ここのところひとつ悩みの種が。
それは同じ駅にもう一つのボクシングジムがオープンした、という噂が飛び込んできたことから始まりました。
ある練習生の一人が「会長、そういえば駅の反対側にボクシングジムがオープンしたみたいですよ」と会長に告げた途端、にわかに曇る会長の表情。
「なにぃ・・・・?聞いてないぞそんなの」
他にも誰か知っているか?という問いかけに手を挙げたのは他でもないこの私。
と、いうのもちょうどその先日のフットサルで仲間の一人からその話を耳にしておりました。さらにはその仲間が体験練習に参加しており、最新鋭の設備と冷暖房完備の快適空間での練習ができたという感想付きで会長に告げたところ、ますます表情が硬くなる会長。
まあそれはそうです。間違いなく明確な脅威になりえます。
「なんてことだ・・・・す、杉山まさかおまえ自身が体験練習に参加したわけじゃ!このおっ!」
錯乱した会長から完全な冤罪のジャブが飛んでくるのをかわしつつ、
「そんなくだらないこと言う前にちょっと対策を練るべきだと思いますけど。下手したら喰われますよこのジム」
と、渾身の左フックを叩きこみます。
私の言葉に錯乱に錯乱を重ねる会長。よくわかりませんが近くにあったパンチングボールを連打し始めます。
「ど、どうしようどうしようどうしようどうしよう」
うろたえながら物凄い精密さで的確にパンチを叩きこむあたりはさすがです。
「会長、うろたえても仕方がありませんよ、ここはひとつ冷静になって」
「冷静になれるかあ!そんな充実設備のジムがこんな目と鼻の先にできたんだぞ!」
言いながら物凄いスピードでウィービングを始めました。完全に錯乱しております。
「会長、大丈夫、大丈夫です。向こうのジムにないサービスを提供すれば差別化が図れます」
「向こうのジムにないサービス!?そ、それはなんだ!」
「いっぱいあるでしょうそんなの。歴史も長いし会長は世界チャンプですよ?売り込むべきところはいくらでもあるでしょう!」
「そ、そうか そうだよな」
「そんなポッと出の新設ジムなんかに負けてる場合じゃないでしょう、ここはドーーンとうちでしかできないサービスを提供すれば無問題ですよ!」
「お・・・おお!そうだよな!よし!!うちにしかないサービスだな!」
「そうです!絶対にうちでしか提供していないサービスを!!」
「よおおおおおおおっしゃあああああああああああああああ」
と、いうわけでうちのジムにはいつ来てもAKB48のBGMがかかっております。あかんわこのジム。