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テレビっ子世代のテレビ離れである

2013年9月 3日 09:39(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

今現在、私はほとんどテレビを見ない。

これを書いている現在、テレビでは「半沢直樹」や「あまちゃん」などのドラマが超人気を博している様子であり、一大ブームを巻き起こしているらしい。

が、私はどちらも1秒も見た事が無い。とりあえず周りに合わせて「じぇじぇじぇ」とか「倍返しだ!」とか言ってみるが実はまるで理解していないのである。

AKB48のメンバーは4人くらいしか知らないし、とにかくマスメディアが流行を作り出している類いのものにはほとんど興味が無い。

見る番組と言えば終戦記念日前後のNHKの太平洋戦争特集と「ガイアの夜明け」、ジブリ作品が公開される金曜ロードショー、あとは朝出がけに見る「Moco'sキッチン」(オリーブオイル使い過ぎ)くらいのものである。

最近はニュース番組すらテレビでは見ない。見てもNHK限定になるが、その理由は民放のコメンテーターがさも「〜が正しい」という方向に煽動する姿勢があまりにも顕著で見ていて不愉快になるのが主な理由である。報道というのは事実をありのままに流せばそれでいいのであって、それに対する偏向的な意見などというものを少なくとも私は全く求めていない。気になるニュースがあればネットで見る。日本の報道だけでなく、関係国の報道もネットでなら簡単に見れるので、それを見ると日本の報道がいかに偏ったり大事な事を全く流していないということがすぐにわかる。正直NHKのトップニュースでAKBの総選挙の話題を流した時には契約を破棄しようとすら思った。

さらに民放のワイドショーなどはどのチャンネルを回しても同じ事を同じ様に流しているだけに思える。今朝もどのチャンネルを回しても竜巻の被害がどれだけひどかったか、ということを延々と流しているだけ。コメンテーターのコメントも「ひどいですね」とか「かわいそう」みたいなコメントばかりで生産性が皆無である。

ゴールデンタイムのバラエティ番組も本当にどれも全く見分けがつかない県民バラエティやお笑いのクイズ番組に埋め尽くされ、全く見る気が起きない。

そんな現在テレビに嫌悪感すら感じる私ではあるが、もともとはめちゃくちゃテレビにはまっていた世代である。

特に80年代から90年代前半くらいまではテレビの番組は本当に面白いものが多かった。

残酷な描写も多かった「ウルトラマンシリーズ」や「スーパー戦隊シリーズ」、個性的なアニメーションの数々。お笑い番組も「天才たけしの元気が出るテレビ」、「8時だヨ!全員集合」、「オレたちひょうきん族」などなど・・今では絶対に放送できない内容とクオリティを持っていた。テレビにかじりついて爆笑していたのを覚えている。

しかし、最近のような金太郎飴状態のゴールデンタイムにテレビ放送が成り下がってしまったのはひとえに我々視聴者のせいであることも認識しなくてはならない。

「教育上よくない」とか「子供に見せられない」などのクレームがある時期からもの凄く増加した事を受け、番組の制作側もそうした声を無視できず、次第にはっちゃけた内容の番組構成ができなくなっていった経緯がある。バラエティ番組内でスイカ割をしただけで「あとでこのスイカはみんなで美味しくいただきました」のようなテロップが入るようにいつしかなった。最初は「なんだこれ?」と思ったものだが、最近では爆竹を使ってみれば「この爆竹は身体に悪影響の無い爆竹を使用しております」とかわけのわからないテロップが入るように。最初は本当にネタかと思ったが、どうやらいちいちこういうものを入れないとクレームを入れる人間がいるらしい。そのうち「この番組はお子様に悪影響の無い内容でお送りしています」とかテロップ本気で入りそうで怖い。
数年前に「怪獣を殺さないウルトラマン」がいると言うのを聞いてのけぞったものだ。


「子供に見せられない番組を流すな」と言うのであればその番組を見せなければいいし、そもそも何でも悪影響 悪影響と言い続けている大人達は子供達が自分で良いものを選別できない、あるいは教育に良いものだけを見せていれば子供はいい子に育つ、と思っているのであろうが私からすればこれは子供をナメ過ぎであり、親のエゴ以外の何物でもない。子供の自主性を奪っているだけである。悪い物から子供を守るのが親の役目である事は事実だが、いかんせん最近の状況はいささか過敏過ぎやしないだろうか。

可愛い可愛いと無菌状態で育てた子供達が抗生剤などの薬漬けにさせられ、結果として病気に立ち向かう力すら奪われてどんどんと弱い身体にされて行く現代社会。それに毎日接している私からすれば子供の力、子供の心の強さをもっと信用すべきであると思う。
ちょっとした風邪なんて「寝てれば治る」し、虫さされくらいでいちいち病院に連れてくる親なんて少なくとも私の世代にはいなかった気がする。可愛がる事と甘やかす事をはき違えている親が多すぎると日々感じる。子供の生命力はそんなに弱い物ではない。

子供が自分で選別する自由を親が奪ってしまったら子供は成長する大きなチャンスを削がれてしまう事に他ならない。ウルトラセブンが怪獣をアイスラッガーで首をたたき落とす回の翌日は学校で「首チョンパー!」と皆で大騒ぎしたものであるが、その結果、猟奇殺人者が増加したかと言えばそんなこともなかろう。むしろ現代の方が抑圧された環境が引き金になり人を理解しがたい理由で殺めたり、自分の命を簡単に絶ってしまう子供達が増えている。こういうニュースを見るたびに心が痛くて仕方ない。
「子供の教育上よくない!」と叫び続ける若い母親が簡単に小さな我が子を放り出して家を出て行き餓死させることもある。
その時の子供の気持ちを想像したら今でも涙が止まらない。

親の目線と子供の目線はまるで違う世界を見ていることを理解し、子供の身体と心を強くするにはやはりある程度の刺激や汚れた環境が無くてはいけないと私は思う。何も過度にそういう事をしろというわけではない、トラウマを与えるような映像を見せたりしていいわけはないし、過酷な環境に子供を放り出せと言っているわけでもない。ただ何でも親のエゴで子供を有害と「親が勝手に思う」物から隔離するのをやめるべきである、と思うだけである。

教育上良い番組とはそもそもなんであろうか?NHKの教育テレビのことであろうか?

少なくとも私は障害を持っている人達が頑張っているのを「偉い」と延々と報道したり、太った芸能人がマラソンをしている番組が教育上良い番組であるとは全く思わない。愛と勇気だけで渡って行けるほど人間社会は綺麗なものではないし、障害があるから、という理由で頑張っている人を特別視し、賛美することは逆に差別意識を持っているように感じてしまう。私がひねくれている故かもしれないが。

精力的で意欲的な番組は深夜に多く流れているのも多くの人達が見る時間は「当たり障りの無い番組」しか流せない状況になってしまっているからであろう、そう考えればむしろ番組制作者の苦悩も感じる事ができる。

たかだか人生36年しか生きていない私ではあるが、あんなに愛したテレビという媒体がこの10年や15年程度で(あくまで私個人が)まるで魅力の無いものになってしまったということに社会全体の変貌とリンクする何かを感じているのは紛れもない事実であり、悲しい気持ちでいっぱいになってしまう。これも私の記憶が美化されているだけなのかもしれないが。

学校から帰って来て「ウルトラセブン」の再放送を「怖い!」と言いながらもワクワクしながら見た後に母方の祖母と一緒に夕飯を食べながら「銭形平次」を見て、その後に「寝起きバズーカ」で叩き起こされる芸能人達の様を腹を抱えて爆笑し、久米宏の毒舌ながらもなるほど、と思わせる報道コメントにうなづいていたあの頃のテレビはやはり面白かった。

今でもきっと私の知らない優れた意欲的な番組がたくさんあることを願うと共に、そういう番組があれば是非お教えいただきたいと思う。



何だかまとまりのない文章になってしまったことを恥じる限りであるが、皆様はかようにお考えであろうか?