アメニモイケズ カゼニモイケズ
2014年3月17日 17:06(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記
雨は好きです。
雨の日の濡れたアスファルトの匂いや風情のある窓からの光景。
こういうものに時として癒されることもあります。
つい先日もふと薬局の外を見たらシトシトと雨が降り始めていたので、あえて昼食を取るためにビニール傘を持って店を出ました。
めざす飲食店までのみちのりはのんびり歩いて5分程度。
軽い散歩程度の距離です。
胸いっぱいに初春の雨に濡れた空気を吸い込み、気分良く歩き出す・・ん?なんだ急に横風が・・・・・アッ!!
ズボシュッ!
傘が突風に煽られて骨ごと裏表ひっくり返っていずこかへ吹き飛んで行きました。
歩き出してわずか4秒で持っていた傘が消滅しました。
なんじゃこりゃあ!ふざけんじゃねえぞ!雨風ゴラァ!
つい数分前まで雨好きと言っていましたがすいません撤回します。
雨 is 親の仇。
しかしこんな雨野郎に負けるほど人間様は弱くありません。遥か後方に吹き飛ばされ、反対側にひっくり返ったビニール傘を全力疾走で拾いに行きます。「馬鹿が!強い力でひっくり返されたなら同じ力を反対にかければ元に戻る道理!人間様の知能をなめんなよ雨野郎!さあ!もう一回きやがズボシュッ!
絶妙な角度で横風が直撃し、ビニール傘のビニールの部分が引きちぎられて遥か彼方へ消し飛びました。
家を出て50秒ほどで粉々になった傘の柄を呆然とつかみながらいきなり乱暴された女子大生みたいな顔でしばしその場に佇んでいましたが、数秒後、ふつふつと何かが心の中からわき上がってきました。
「・・・は、ハハハハハハハハハハ!なかなかやるじゃないか雨!しかしな、こんなものでオレの心を折れたと思ったら大間違いだぞ!こんな小雨程度な、全部手刀で弾き飛ばせば濡れずにすむんだよ!霊長類なめてんじゃねえぞ!!イッツ、アメイジンッグ!」
高笑いしながらしとしとと天から降る雨粒を「シッ!シッ!」と言いながら頭の上にかざした手刀で弾き飛ばしながらビショビショになって飲食店へと向かう様はまさに勇者のそれ。「ママー!あのおじちゃん変な事し「しっ!見ちゃダメ!」という戦地に向かう猛者へのエールすらも聞こえてくるほどの勇猛果敢さ。
結局粉々になったターミネーターの骨格みたいな傘の柄を持ったままビッショビショで雨もしたたるいい男状態で到着した飲食店で凱旋のどよめきが起こったことで私の中の達成感はピークを迎えた(どよめきの直後、店内の客・店員共に私から一斉に目を逸らしたのはおそらく私の覇気がなせるもの)。
こうして私の初陣は幕を閉じた。
残念な事と言えばせっかくの傘の柄を店にうっかり、そう、うっかり忘れて来てしまった事くらいであろうか。もちろん故意ではない。
・・・・・あれ?何の話でしたっけこれ。