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沖縄に行って来たんですけどね 後編

2014年5月28日 10:25(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

※皆さん完全に前編のことなんてお忘れの事と思いますのでお時間のある方はこちらから前編をお読みください。

〜前編のあらすじ〜
産前の妻のわがまま希望を叶えるため沖縄旅行を計画。沖縄に到着するためには飛行機に乗らなくてはいけない。過剰とも言える飛行機嫌いの卓也の肉体と精神は果たして2時間半にもおよぶフライトに耐えられる事が出来るのか?!行け!卓也!戦え卓也!AKBのニュースはもういい加減にしてくれ!


・・と、いうことで離陸したところから続き。

基本的に飛行機事故の実に90%近くは離陸と着陸の前後7分で起こっているとかいないとか。当然その時間帯にのみ緊張感をもつのが正しい飛行機の怖がり方?なのかもしれませんが、私の場合はちょっと違いまして、着陸態勢に入り、少しずつ高度が下がって行くごと言葉遣いが丁寧になったり他人様からの問いかけに応答できる可能性が増して行く性格でして。

当然 高度が最も高い時に「ポッキー食べる?」と聞かれても基本的には脂汗を浮かべながら「オレ ポッキー クワナイ」と窓の外を凝視しながら呟く事しか出来ません。この状態が着陸態勢に入る実に着陸20分程度前まで続くわけです。地獄ですね。

この時間の私の思考と行動は主に2つに限定されます。
1つはひたすらアルコールに溺れることともう1つはCA(キャビンアテンダント)の笑顔を疑うことです。

基本的にアルコールの力で脳神経を麻痺させるのがフライト中の私に出来るほぼ唯一の事であり、逆に言えばアルコール無しで機内に乗り込むと言うのは私にとって限りなく自殺に近い行為になります。以前ハワイに飛んだ時に検査を終えて中に入った発着待ち合い所のどこにもアルコール類が販売されておらず、その場で空港に抗議の電話を入れた記憶があります。あれは許せなかった。

ですから普段あまりお酒など飲まない私ですがこの時ばかりは1時間にチューハイ1本程度の補給が必要になりますのでワインなどがサービスで振る舞われる航空会社を優先して選ぶようにしております。これで何とか精神の崩壊を食い止める事が可能になりますが、不安感や恐怖感をぬぐい去る事まではできません。それゆえに常に自然にCAの動向を目で追う習性がついています。

例えば大きく揺れている時や、普段聞き慣れないような機械音を耳にした時などはCAを凝視しながら「その笑顔の裏でCAブースに戻ったら『どうしよう、落ちる!』『落ちついて!そんなことでどうするの!?機長を信じるのよ!』『でも・・』『バカ!何の為に厳しい訓練に耐えて来たのよ!私たちはいつだって最高の笑顔をお客様に!そうでしょ?』『・・・うん、そうよね。私バカね、そんな当たり前の事忘れて・・』『いいのよ。さ、立って』『うん。私やってみる!』」みたいな話してるんだろう!と妄想の翼を広げながら身悶えしているわけです。書いてて思ったんですがどう考えても精神を病んでいますね。

事実この日は気流の悪い中を飛び続け、同行していた妻も「わぁ今日は揺れたね!(清々しい笑顔で)」と言うほどでしたので那覇空港に無事に着陸した時には恐怖のあまりアロハの右袖が引きちぎれていました。精も根も尽き果てた顔でこれまた万力で引き潰されたかのごとき数本のチューハイの残骸をゆっくりとビニール袋に詰めながら「生きてるって素晴らしいよね」と呟き、飛行機を降りました。


帰りの飛行機?ああ、上の文章をもう一度お読みください。


沖縄最高。