サービスとはなんぞや 男とはなんぞや
2014年11月29日 09:57(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記
えーとですね、簡潔に言いますと愛車のバッテリーがぶっ壊れました。
社会的に、かつ物理的にどう考えても自走できません。
つい数日前に朝、家人が車を動かそうとしたところウンともすんとも言わない、という連絡があり、我が家の駐車場で完全に立ち往生状態。さて困ったぞ、という事になりました。
子供の出迎えなどというスタイリッシュな仕事がこの愛車にはある以上、迅速に修理しなくてはなりません。
とりあえず自然な流れとして整備をお願いしているディーラーに電話を入れます。
「はい、マツダ⚪️⚪️店です」
「あ、もしもし。ベリーサでお世話になってます杉山です」
「あーお世話になりますー」
「えーとですね、どうやら車のバッテリーが上がってしまったようで自走できない状態なんです」
「あらら、それは困りましたね」
「ええ。なので申し訳ないんですが修理というか対応をお願いできれば、と思ったんですが」
「あーそうですね、じゃあまず当店までお持ちいただけますか?」
「え?」
「お持ち頂ければバッテリー替えますんで」
「えーと・・持って行きたいのはやまやまなんですがなにぶんにも自走できない状態でして・・」
「まあロードサービスとか使ったらどうですかね?保険に入っておられると思うんですけど」
「あ、そうですね・・ロードサービスね・・」
「じゃ、そういうことでお出でいただければその日中になんとかしますんで」
「お・・あ・・はい」
ガチャン。
ゔーーーーーーーーーーーーーん?
なんか・・なんだろう釈然としない。
いや、正しいよ。正しいと思うよ。言ってることは。
確かにうちの駐車場でバッテリー替えたりするのも難しいのかもしれないけどね。でもさ、でもさ。なんかこう・・なんていうの?ほれ・・来て・・くれないの?
ボクシングで殴られて昏倒して動けなくなって慌てて救急車呼んだら病院まで来てくれたら治療するんで。って言われたようなもんですよねこれ。
でもまあ・・これが普通な対応なのかな・・バッテリー上がった経験ないからよくわからん・・
釈然としない思いを抱えたまま自分の加入している自動車保険のロードサービス部所に電話を入れます。
こちらの応対はいたって良好で、私の仕事終わりの時間に提携会社のロードサービスの人間を向かわせるとのこと。流れはスムーズでした。
で、当日の夕方、ロードサービスのお兄さんが私の家の駐車場に登場。雨風のやや強い夜で、傘をさしている私もかなり横殴りの風雨にびしょ濡れ。それでもダイナモをつなぎブルルン!とさながら生き返ったごとく元気にエンジン音が響いた時にはホッとしました。ただ時刻はもう遅く、これからディーラーに向かうのはさすがに難しい状態でしたのでロードサービスのお兄さんに質問します。
「すいません、私、あまり車のこと詳しくないもので。確か充電でエンジンかかってもまた消したりすると動かなくなるって聞いたことがあるんですけど・・」
「あーそうですね、大丈夫だと思いますよ^^。ただ交換は早めにした方がいいかもしれませんね」
「あ、そうですよね。えっと、じゃあ今日はとりあえずこのままエンジン切って平気ですか?(確かしばらくエンジンかけ続けなくてはいけないとか聞いたことあるけど・・)」
「あーそうですね、大丈夫だと思いますよ^^」
「あ、大丈夫なんですか。じゃあよかった、部屋に戻っても平気ですか?」
「はい、問題ありません!^^」
「そうですか、本当に助かりました」
「いえいえ、どうかお気をつけて!」
敬礼のようなポーズをとると颯爽とロードサービス車に戻っていくお兄さん。
うーん、素敵だ。
その姿を見送り、部屋に戻り家人にもう大丈夫である旨を告げ、早いうちにバッテリーを交換に行こうね、という話を終え、その日は就寝。
翌朝私はもう一台の愛車でいつものように薬局へ出勤。
夜にディーラーに行かなくてはいけないなあ、などと漠然と考えていた午前中のある時、電話がなります。家人だ。
「はいもしもし、どうしたの?」
「あ、あなた?車動かないんだけど」
全然大丈夫ぢゃねえかド畜生!!!
(⭐︎よいこのみんなへ らんぼうなことばづかいはやめましょう)
持っていたボールペンが握力で弾け飛びました。
あーもうなんなんだよ!やっぱりしばらくエンジンかけとかなきゃダメじゃないかよ!物凄い笑顔で「大丈夫」とかぬかしてやがったなあのロード野郎!13章まで唄わすぞ!
昨晩びしょ濡れになりながら歓喜していた全てが無駄になった絶望感と怒りに打ち震えながら一体どうしたものかと困り果てます。
うーーーん。・・・・あ!
・・・でもなあ・・
一つ頭に浮かんだのは私が普段乗っているもう一台のホンダ車のディーラーさんに確認するという案。しかしさすがに他社の車のことだしなあ・・と打ち消そうとしましたが、なんとなくここまで嫌な思いが続いていますのでとりあえず聞くだけ聞いてみようかな、と電話を取りました。
ぷるるるる ガチャ
「はい!ホンダカーズ⚪️⚪️店、担当⚪️⚪️です!」
「あ、⚪️⚪️さん、ちょうど良かった杉山です」
私の担当さんが出ました。
「あ、杉山様 お世話になっております!本日はー?」
「実は・・」
かくかくしかじかと状況を説明します。
「で、お門違いかなあと思ったんですがホンダさんに相談してみようかなと」
「承りました」
「え?」
「お電話ありがとうございます。全てお任せください。」
「え?でも他社の車ですし・・」
「ご自宅には奥様がおられるとの事ですね」
「あ、はい」
「杉山様。全てお任せください」
その後 なんと10分後には自宅マンションにダイナモを持って駆けつけてくれた挙句に疾風のように車を持ち帰り私が仕事を終えて帰るまで他社の車にもかかわらずバッテリを取り寄せ交換、再び自宅まで届けていてくれました。
さらに当然かかると思っていた出張料のようなお金は一切なく、良心的なバッテリ価格とわずかの取り付け工賃のみ。予想の半額以下の金額で全てが解決していました。おまけに最後に絶賛の言葉をお伝えしたところ「え?・・当然の対応をしただけなんですが・・」と戸惑い顔まで出してくる始末。
ヤダなにこれもう完全に抱かれてもいい。
まさしく完璧な対応でした。
・・今回の3件のサービス対応を経てつくづく感じたのは同じサービス業を営む人間としていかにそれに関わる人間の応対がお客様の心を動かすのか。ということ。
正直いくら車は素晴らしいものであっても最初のディーラーにはもう二度と行くことはないと思いますし、他社の車であっても素晴らしい対応をしてくれた今回のホンダさんに任せてしまおうと思わされます。これこそが営業の差でしょう。私も心がけていかないといけません。身が引き締まる思いでした。
毎日接する人から今回も素晴らしい教訓をいただいてしまいました。感謝。
よいこのみんな、バッテリーは充電してもすぐにエンジンを切っちゃだめだぞ!タクヤ先生との約束だ!