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タクヤボクシングスクール

2015年1月24日 13:01(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

うちのお客様にはようやく定着しつつありますが私、かれこれ8年近くボクシングをやっております。

私の場合、見た目はどう考えてもボクシングなんて無縁ですから大抵の人に「趣味はボクシングです」っていうと「またまた〜」と笑われることが多く、それについては別段どうということもないのですが。まあとにかくそんな私ではありますが、週に3〜4回は地元町田にある横田ボクシングジムで練習生やプロ相手にぶん殴ったりぶん殴られたりしているわけです。
8年かけてようやく定着というあたりに私の見た目の弱さが如実に表れている感じがしてたまりません。

しかしまあさすがに8年近くもこんだけの頻度で通っておりますと見た目は変わらずとも街を歩いていたり電車に乗ったりしている時に「オヤジ狩りに遭わないかな ヒャッハ」とかワクワクしながら思える程度には腕っ節が増しているわけで。ボクシングジムに「俺、学校ではメチャクチャやってたんで」って言いながら明らかに自分のことをナメくさった表情でリングに上がった高校生のヤンキーの坊やをメチャクチャやったりしてます。(結構前の個人FBページの更新でその時の動画を載せた気がするので暇な方は友達申請の後に探してみてください)

もともとはまあ喧嘩なんてできるわけもないような弱虫毛虫の自分ですから前述したようなヤンキー坊やとかをボコボコにする日がまさかやってくるとは思ってもみませんでしたが、それだけに弱虫毛虫の男の子が勇気を振り絞ってジムの門を叩くことがあると物凄い感情移入しちゃうわけで。

今から5ヶ月ほど前、そんないじめられっ子が一人、おどおどとジムの前に立っていました。
小学5年生の彼、名前はカズキ(仮名)。学校でいじめられているのが嫌でボクシングをやって強くなりたいとたまたま自分がいた時に会長に小さな声で話しているのを聞いてこれはもう自分が育てるしかないと思いました。

と、いうのも会長は以前に世界戦を経験しているような天才肌のボクサーで、弱虫毛虫の心理というのを理解することはできない上に天才肌っていうのはやっかいで私も以前この会長に「会長、ちょっとフックの打ち方が」と相談した時に「杉山君、いいか、ここをシュッときてグワッときてドーン!だ、わかるね!」という指導を受けてから二度と質問していません。わかるわけねえだろ。

そんなわけで入ってきたばかりの練習生は基本的にいつの間にか古株になっている自分が教えることが多く、小学生ならなおのこと、「杉山君、じゃ後はよろしく」ということになります。

早速このカズキに基礎からみっちり叩き込もうととりあえずバンテージを巻き、グローブを着けさせます。「いいかカズキ、とりあえずどんな打ち方でもいいからとりあえず思いっきりこのサンドバッグ殴ってみろ」「はい・・」

よろよろとしながら振りかぶって思いっきりサンドバッグを叩くカズキ。

ボイーン 「あうっ」

サンドバッグという無機物に弾かれて倒れました。
これは鍛え甲斐があります。

その日から私が通う週3〜4日のほとんどに顔を出しているこのカズキ。
どうやら気持ちは本物らしく、教えることにもいちいち真面目に反復しながら弱いなりにしっかりと食らい付いてきます。
最初のうちはいつやめちゃうかな、と思っていましたが真剣な思いが伝わって来るのでいつしか私も誰よりも彼に対してしっかりと気持ちを込めて基礎を叩き込みました。


・・・・で、昨日でちょうど入会から5ヶ月経ちました。

これねえ、ほんと入ったばっかりの頃の動画と昨日のミット打ちの時の動画流したらライザップのCMなみのインパクトあるんじゃねえかっていうくらい強くなりました。まさに努力に勝るものなし。見た目こそそれほど変わりないものの、あのおどおどしたもやしっこの面影が全くなくなりました。のび太のくせにジャイアンにも勝てそうな勢いのミット打ちを受けている間に感動で泣きそうになりました。

「杉山さん、僕 強くなったかな」「カズキ、ほんとに強くなったよ。これからも頑張ろうな」
「はい!」







そんなわけでこれから二人でモヒカン刈りにして棘付きの革ジャン着て喧嘩売りに街に繰り出してきます。