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恵方巻きバズーカ

2015年2月 6日 16:02(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

2月です。

最近ではコンビニの戦略だかなんだか知りませんが数年前まで関東では見たことも聞いたこともなかったような巨大な海苔巻きを予約販売までし始める始末。テレビでも「さあ、いよいよ明日は恵方巻きですね!皆さんかぶりつく方向はチェック済みですかー!?」とコメンテーターが喚いている始末。街頭インタビューされたら「知ったことか」と吐き捨てて恵方巻きで思いっきり殴りつけたい衝動に駆られます。こういうマスコミの取ってつけたような押し付け文化が大嫌いだしそれに乗っかりまくる国民も好きではありません。ハロウィンとかいつの間にか日本に定着してるのが気持ち悪くて仕方ない。ここは日本だ馬鹿野郎!!

そんなわけで今、この文章を恵方巻きにかぶりつきながら書いているわけですが、2月といえばやはり節分です。男は黙って節分。

うちの長女にはやはり日本の文化をきちんと教えたい、という思いがありますので毎年節分には私が鬼の格好をして娘の投げる豆を満面の笑顔を浮かべながら「もっと!もっと!」と叫びながら全身に受け続けるという儀式が欠かせません。

長女も6歳になり、この春から就学児となりますので、大分大きくなってきたなあと成長を微笑ましく感じながら今年も鬼の面を付け、半裸の体に手製の胸毛を付け、皮膚呼吸ができないような赤い塗料を塗りたくられて完成です。かなりリアルなのでこれで棍棒を持って玄関を飛び出たらうっかり警官隊に射殺される可能性がありますので基本的には家の中で豆を投げつけられるわけです。

「おとうさん、準備はいい?」
「おお、いいぞ!どっからでもかかってこい!」

娘の手には升と、その中にたっぷりと豆が入れられています。

「おにはーそと!」

バラバラバラ

「うがー まいったー うがー」

「ふくはーうち!」

バラバラバラ

「うおー いたいー うおー」

手にいっぱい豆を握り、それを投げつけてくる娘。
何と言っても半裸なので少々痛いのですがこれも可愛い娘のためです。幸せな気分すら感じます。

・・・・ん?なんだかおかしなものを娘が取り出しました・・あれ?パチンコ?

「おにはそと!」

ビシッ!「痛ぁ!!!」

どこで作成したのか手作り感満載のパチンコで豆を射る娘。肩に直撃しましたがシャレにならない激痛です。違う!違うぞ娘!豆は射るんじゃない!炒るものだから!

「ちょ、ちょっと待って、道具使うのは反則」
「ふくはうち!」

ビシッ! 「はぁん!!」

またも直撃しました。今度は胸部です。的確に当ててきます。撃つ前に物凄い冷静な顔で狙いを定めていますうちの愛娘が!

「まいった!まいったからもう降参!」

パチンコが私の右の眼球を正確に狙っているため慌てて手を上げて降参します。

「いや!まだ豆こんなに残ってるから!」

いやいやと首を振る娘の笑顔に狂気を感じます。今とんでもない事に気がつきました鬼はコイツです。

「危ないから!道具は使うのはやめなさい!こら!」

本気で逃げますがそれが楽しくて仕方ないのでしょう。獲物を狩る猟師の目で私を追ってきます。

「ママ!ちょっと!ほら、もうやめさせて!」

これはもう大人に止めさせるしかないと思い家人に救援を要請します。

「いいじゃない、年に一度だしもう少し付き合ってあげてよ」

なんということでしょう渡る世間は鬼だらけです。


結局「もう死んだ」と言って倒れてやり過ごそうとした私に容赦ないサブ豆ンガンを打ち続け、満足した娘は満面の笑みで「おとうさん!楽しかったね!」と倒れ伏した私の上で歳の数の豆を食べ、それを母親が「よかったねえおとうさんに遊んでもらえて」と悪びれる様子もなく笑顔で締め、今年の節分は終わりました。




鬼の苦しみを知り尽くした今年。来年からは節分で逃げ回っていた鬼を無償で我が家へ招待しようと思っています。

鬼は内。