梅雨だくバーモント華麗
2015年6月 8日 15:50(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記
電車の中でスマートフォンをいじっている人の割合が桁違いに多い我が国日本ですが、みんな何にそんなに熱中しているんだろうか、と自分のことは差し置いて気になることはありませんか?
つい先日、電車に乗っていた時のこと、席に座って本を読んでいた私の隣にかなり恰幅のいい私と同世代くらいの男性がドガッ、と座ってきました。
かなり横幅の大きな方でしたので必然的にギューーッと脇に押されるようになり、瞬間的にイラっとしたのでこめかめに右フックを叩き込んでやりたくなる衝動が抑えきれなくなり少々困りましたがなんとかその大きな体は収まるところに収まりました。
しかし気になったのはその後のこと。
御多分に洩れずスマートフォンを取り出したその男性、私も別に気にもとめていなかったのですが・・
「ぐぶっぐぶぶぶ ぐぶっ ぐぶっ」
すぐ次の瞬間にその男性からくぐもった笑い声ともうめき声ともつかぬ怪しげな声が漏れ始めました。
周囲にいた無関心な都会の住民たちもさすがに一瞬怪訝そうな顔をしたり気持ち悪そうな顔をしたりしましたが、どうやら奇声の原因は開いたスマートフォンにある様子。画面を食い入るように見ながら「ぐぶっ ぐぶっ」という声は続きます。
私はすぐ隣に座っていますので、首を伸ばせば彼が何を見ているのか見えないこともないのですが、さすがにそれは(携帯だけに)マナー違反かなという思いがあり、できません。それでも男性の様子だけでも伺おうと横目で男性の顔をチラリ。
・・物凄い量の汗かいてます。
「ぐぶっ ぐぶっ ぐぶぶぶっ!」
心なしか声のトーンも上がってきています。しかし相変わらずどういう感情なのかわかりません。
ふと気がつくと男性の私と逆隣に座っていた20代の女性が素知らぬ顔でしらっと席を立ちました。どうやら気味悪さが臨界に達した模様です。
「ぐもっ ぐもももっ もっ!ふぐっ!」
そうこうしている間に男性のテンションというか奇声は一段とテンションを上げてきます。イヤホンなどをつけている様子はないのでさすがに車内で法的な規制のかかる映像を楽しんでいるわけではなさそうです。しかし体も揺れ始めました。
「ぐもっ ぐもっ ぐもっ ぐもっ ぐもっ ぐもっ ぐもっ」
体を左右に揺らしながら(死ぬほどウザい)奇声が続きますがだんだんと声が規則正しくなってきました。え?何これ孵化するの?
目はスマホの画面の一点を見つめ、体は左右に小刻みに、そして口からは「ぐもっ」という規則正しい奇声。孵化ということはさすがにないと思いますが羽化寸前です。
気がつけば同列に座っていた乗客は私と彼以外のほとんどが席を立ち、遠巻きに私たちを不気味そうに見ています。なんというとばっちりでしょうか。全く無関係なのにすっかりお仲間扱いです。ムカつくので私も彼と全く同じ行動を取ろうかと思いましたが鉄道保安官でも呼ばれると面倒ですのでやめます。でもなんかもうここまで来るとことの成り行きを隣で見守ってやろうという親心が湧いてきます。
「ぐも ぐも ぐも ぐも ぐも ぐも ぐも ぐも ぐも ぐも ぐもーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ついに壊れたレコーダーみたいに絶叫し、ガタン!と席を立ち上がる彼。
それと同時にガチャン、とスマートフォンが彼の手元から落ちます。乗客の目が一斉にそのスマートフォンに注がれますーーーーーーーーーーーーーー
スマホで株やってました。
儲かってたのか、儲かってたんだな!