人間独区(ドック) 後編
2015年8月10日 17:42(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記
うちのブログの読者様の場合ここから読み始めた、という方はおそらく少ないとは思いますが念のため↓前編です。まだの方はまずこちらをお読みください。
さて。まさかの血見せをされ、卒倒すること約2分。
軽く視界が白む状況からなんとか回復し、大丈夫ですか!?といけしゃあしゃあと聞いてくる看護師に「ええ、おかげさまでね」と言いながら唾を吐きかけたい衝動をグッと抑え込みつつ気を取り直します。
「はい、では次はエコー(超音波)ですね」
看護師さんに言われるがまま、超音波の検査室に入ります。
「はい、では脱いでくださいね〜ズボンは腰の下まで下げてくださいね」
うん。若い女性の検査師さんです。まああれですよね、凄い脱ぎにくいんですよね。
いや、もちろんわかりますよもちろん彼女達だってこんなアラフォーのおじさんの恥じらいなんて見たくもないしそもそも見慣れてるしいやそもそもモジモジされた方が逆に意識されてなにこのオヤジキメエとか思われんだろうしでもなんかこう見えて結構毛深いところあるしいきなり脱いでって若い女性に言われるとどうしても男の本能っていうか青春の残り香が目覚めて凄い抵抗を感じちゃってわかったよそんな目で見んな!!!
全力でズボンをずり下げました。
「はーいでは計ります。ちょっと冷たいですよ〜」
全く機械的な手つきで私の下腹のあたりに計測するための円形の機械をぐいっと押し付けます。
「うひゃっ」
「どうかしましたか?」
「あ、いえ、くすぐったかったもので」
「ああ、それはすいません。では診ますね」
「おねがいしまうひょおっ」
「・・・大丈夫ですか?」
「あ、すいません。なんか凄いくすぐったがりで」
「すぐ終わりますから」
「すいません、宜しくおねがいあふん!!」
ゴミ虫を見るような目つきで見られました。
なんかもう誰に対して怒りをぶつけたらいいのかわからないまま測定室を出たのが約10分後。ああ、悪かったよ!でもな!くすぐったがるのがそんなに悪いのかよ!だって変なローション塗られて冷たい金属でヌラヌラされたら誰だって変な声出るだろうが!
などと声にならない叫びをしながら地団駄踏みながらその後の検査をこなし、最後は食事を摂って帰ってよし。というところにまでなんとかこぎつけたのがおおよそ1時間後。
なんかもう身体中蹂躙された気分でこれはもう家に帰ってふて寝しようとこころに決めつつようやく食事にありつけると少し気を取り直して食堂へ。
何せ私一人しかいない午後ドックなので閑散としている食堂にお膳が一つ。間違いなくあれが私のもののようです。
ここのドックに決めた理由の一つがホテルの食事と見間違わんばかりのクオリティのものが出されるという紹介があったので、密かに食事には期待していました。というかそれだけが心のよりどころになっている現在。
「飲み放題」と書かれた自販機からお茶を選び、さすがに強い空腹感を持ってワクワクしながらお膳の前へと小走りに行くと・・・・・「のり弁」みたいな粗末な食事が豪華絢爛なお膳の上に置かれていました。
一瞬理解できませんでしたがああなるほどドッキリマル秘報告が15年ぶりくらいに再開するんだ、という解釈にたどり着きました。そう思わないとこの状況下で人の心を保てる自信がありません。
最終的には午後ドックには絢爛な食事が出ないという説明をスタッフから受け(そういうレベルの落差ではありませんでしたが)、道行くものすべてを切り裂くナイフみたいな人格に変革されてドックセンタ−を後にしました。少なくとも血圧の数値は見たこともないものになっていること請け合いです。