HOMEタクヤブログ>サンタ・スクランブル

サンタ・スクランブル

2015年12月25日 09:33(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

先日のクリスマスイブ。皆さんの中にも可愛いお子様の枕元にプレゼントを置かれた方がおられるかと思います。

私も人の親としてそのあたりは例外ではなく、先だって購入しておいたプレゼントをこっそり家の目につかないところに隠してイブの夜を迎えました。

我が家には7歳の娘と1歳の息子がおりますが、男の子はさすがにまだサンタさんを理解できませんので注意すべきポイントはやはり娘になるわけです。

と、いうのも基本的に娘の眠りは深く、一度寝入ると基本的には朝までぐっすりなのですが、やはりクリスマスイブという特別な空気に興奮した様子でなかなか寝付いてくれません。しかも娘のテンションに引きずられたのか、もともと眠りの浅い息子までなんだか異様なテンションでウォーキングデッドさながらに「あああああああ」と雄叫びをあげながら布団に向かって突撃を繰り返しています。

この後に二人のプレゼントのラッピングと娘が書いたサンタさんへの手紙の返事を書くというミッションが控えていますのでこれは非常にまずい状況です。

なんとか娘を寝かしつけなくてはいけませんので、娘に「起きたまま夜22時を過ぎるとサンタさんに大人として認識されてしまい、プレゼントは相模原市の焼却場に廃棄されてしまうらしい」と新しいサンタの特性を植え込んだりしてなんとか成功(時計見てすごい勢いでテンパってました)。これが成功しなければ首の後ろをトーンと叩いて寝かすしかないと思っていましたのでギリギリのところでした。

さて、これでようやく作業に取り掛かることができます。

まずはプレゼントの包装に取り掛かります。
家人が娘のために買ったプレゼントはボタン操作で綺麗に光るペンダント。これは娘の希望だったようで、サイズも小さく難なく包装することができましたが、問題は次に控える息子のプレゼントである「トーマスのブロック」。「子供の誤飲を防ぐ」という余計な名目のもと、一つ一つのピースがやたら巨大なブロックになっており、それに伴い包装用紙も大きく、ちょっとした動きでガサガサと音がなります。
時間は23時。子供が寝入ったとはいえ興奮状態で眠りについたため、いつ浅い眠りから覚めてくるかドキドキです。

静かに・・静かに・・最新の注意を払いつつ、サンタさんが行うであろう綺麗なラッピングを遂行していきます。その姿はさながらタイマーの動き始めた爆弾を静止させるために働く爆弾処理班です。なんでクリスマスの聖なる夜に独り自宅で爆弾処理してるんでしょうか。意味がわかりません。

サンタへの恨みつらみを呟きながらおよそ15分かけて爆弾処理が終了し、なんとか小綺麗にできたラッピングを前に一息。

さて・・これをとりあえず子供達の枕元に・・「おとーたん」「おひょい!」

いきなり背後からかけられた娘の声に思わず体ごとプレゼントに峰不二子に襲いかかるルパンのように覆いかぶさりました。脳内では「やばいやばいやばいやばいやばいやばいサンタばれたサンタばれたサンタばれたサンタ誰サンタ誰サンタ俺?サンタオーレィ!!」と意味のわかない文言でマツケンがサンバを踊り始めています。

おそらく正体がバレかけたウルトラセブンでもここまで動揺はしないであろう勢いでプレゼントにボディプレスをしたまま死んだふりをしていますが、1分過ぎ2分が過ぎても娘のその後の声はしません。
・・・どうやら寝室からの寝言だったようです。なんという人騒がせな娘でしょう。

軽くプレスされてやや長細くなったプレゼントをせかせかと見つからない場所にとりあえず避難させ、娘や息子が起きてこない事をもう一度確認し、ようやくホッとします。慌てさせやがって・・・・畜生めが。

額にうっすらと出てきた汗を拭うともう一つの作業である「サンタからの手紙の返事」に取り掛かります。可愛い娘がサンタさんに宛てた手紙の余白部分に「おへんじください」と書いてありますのでサンタさんからの返事を書かなくてはいけないのです。ただ、厄介な事にクリスマスの手紙を娘が書き始めた4年前に筆跡がバレにくいのとちょっと小じゃれてるかなと英語で返事をしてしまいましたので未だに毎年の返事を英語で書かなくてはいけません。完全な失敗です。

『サンタさん いつもプレゼントありがとうございます。ことしはペンダントをください、よかったらこのアメをたべてください』

娘のたどたどしい筆跡で必死に書かれたお手紙に目を細めつつもできるだけ簡単な英語を使って娘への返事を書き始めます。ガムテープで手紙に張り付いていた飴玉もいただきます。

およそ5分くらいでちょっとした長さのお返事を書き終わる事ができました。娘への一年間の賛美と飴玉への感謝。そして新しく生まれた弟に優しく、というメッセージを中に入れつつ今年のサンタさんからの文書を締めくくr「おとーたん」「パードゥン?!」

口に含んだ飴玉を渾身の力を込めて遥か遠方へ吹き飛ばすと180度近く首をひねって声のする報告を向きます。ほとんど閉じた目をこすりながら娘がぼんやりと立っています。

「どどどどどどどどどどどどどどどどっどしたの?」
椎名林檎も真っ青の巻き舌で「ど」を連呼しながら娘の方に振り返ります。

「おしっこ」

「そそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそそうか、はいお父さんと一緒に行こうね」

危うく「おとうさんはね、M78星雲からやってきたウルトラセブンなんだよ!」と意味不明のカミングアウトを口走りかねないほど動転していましたが、娘が半分以上寝ぼけていた様子でしたので、なんとかトイレに連れて行き、用を足させてそのままベッドへ。もともと寝つきは異常にいい子ですのでそのまますぐに寝息を立て始めました。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあぶねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!

危うく娘の手紙に飴玉を舐めながら英語で返事を書くという思春期なら友達呼ばれて袋叩き確定の父の所業を目撃されるところでした。

今度こそ誰も起きてこない事を確認しつつ、遠方に吹き飛ばした飴玉を回収し、証拠を隠滅。子供の手紙をプレゼントに添えて収納。これでようやく準備完了です。しかしここまで夫が苦労しつつも騒ぎ立てているのに寝室の家人が微動だにしないで爆睡しているあたり、さすがです。軽い殺意を覚えます。

しかし翌日の朝、起きだしてきた娘と息子が自分たちのプレゼントに喜びの声を上げている姿を見て目を細めている自分に幸福感が溢れましたのでまあそんな些細な事はよしとしましょう^^


「おとーたん」

「ん?どうした?」

「うちにくるサンタさんはなんで英語なの?ここみちゃんの手紙のお返事は日本語だったんだって」

英検の取得段数が低いんじゃないかな」




メリークリスマス準2級。