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「へへ・・おまえなかなかやるわね」「あんたこそね」

2016年1月23日 14:47(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

この前電車に乗っていた時のこと。

大和から横浜までという時間にするとまあ20分ちょいくらいの短い時間。
年末だったせいかいつもよりもやたら混んでおり、乗った時にはかなりぎゅうぎゅうのすし詰め状態。

いつも通勤時間が車で10分と非常に恵まれている私ですので満員電車への抵抗力が弱く、ああ・・嫌だなあ・・と思いつつ、ぎゅうぎゅうすし詰め感を満喫することへの諦めを感じていたその時、

ふっといきなり前の女性が席を立ちました。
どうやら降りるようです。あら、これはラッキー。

目の前が空いた状況にいきなり横から巨大なお尻ごと放り込んでくるご婦人の姿も幸いなことになく、素直に感謝の気持ちとともに席に座ることができました。ああ、これはささやかな幸せ。

しかしいかんせん熱気むんむんの車内。
席に着くとさらに両側に座っている男性の熱気で暑い・・!
思わず来ていたコートのボタンを外します。
うわ、まだ暑い。

と、いうことで着ていたデニムのシャツのボタンも外しTシャツがあらわになったところでようやくひと心地つきました。
ふぃ〜。

と、ここで左隣の男性も同じようにコートを脱いでいるのに気がつきました。見れば私と同世代で背格好もよく似ています。
ただ私より凄いのは着ていたセーターまで脱いでTシャツだけになっています。ははは、いくらなんでも脱ぎすぎ・・・


私と同じTシャツを着ています。


なんということでしょう・・・
混んだ車内に隣り合う同年代の男二人が全同じTシャツ。どう考えても関係を疑われる状況です。

別に何一つとして私に落ち度はないのですが、やっちまった感が脳髄を打ちつけます。席を立って動こうにもこのぎゅうぎゅう詰めの状況ですからそもそも駅に着くまでは身動きが取れません。そもそもこの状況でそそくさと席を移動などしようものなら痴話喧嘩でもしたのかと思われかねません。なんだろう、理不尽に腹立ってきた。

おいおいどうしてくれんだよこの野郎、ととりあえず被害者ヅラしておこうかという自己防衛本能が働き、隣の男に「おんなじTシャツなんか着やがってこっちは迷惑してんだぜ」オーラを全開で送ってみたところ、何か感じるところがあったのか、フッ、とこっちを向いてから私のTシャツに気づき、同時にシャツのシンクロ状態に気がついた様子です。・・あれ?


凄い目で睨んできてます。やんのかこの野郎。


完全に無動きのとれない状態でお互いに「違います皆さん、アブノーマルなのはコイツの方です」というテレパシーを周囲に念じ続ける二人。しかも今気づきましたが着ているTシャツに「world is one(世界は一つ)」と書いてあります。なんかもう深読みすればするほど危険なアピールしてるぢゃねえかクソが。

ああもうまだ睨んでる!イライラするーー!!

『この野郎、どうしてくれるんだおまえのせいで動くに動けねえじゃねえか次の駅でおまえ降りろよ降りなきゃ殺すぞ呪うぞ?一家まとめて五寸釘で呪うぞ?だいたいなんで今日に限ってそのシャツ着てんだ。その右でも左でもタンスの中のどれでもいいからそれ着てくんなよ、あとなんでここ座ってんだよ、向かいでもいいだろうが、あとそもそもなんでこの電車乗ってんだあと横浜まで何しに行くんだこの野郎、ああもう全てが憎い我が名はゼロムス全てを憎む』(←心の声)


双方現実には超偶然の不幸から互いに責任をなすりつけようと殺意の視線を送り合っているだけなのですが、はたから見ると同じTシャツ着て隣同士に座りながら双方アツい視線を交わし合ってハァハァ呼吸を荒げて何か呟いているというほぼ確定な状況。「ママ〜あのおじちゃんたち同じTシャツ着t「しっ!ミツル!黙りなさい!」という親子の会話まで聞こえてきそうな感じです。畜生めが!

ならコートを着ればいいじゃないかというお声も聞こえてきそうですが、それはもうなんというかいろんな意味で負けになってしまうのでできません。着た方の負けという周囲から見れば何があっても同じTシャツを着ていることをアピールし続けるという状況が私達二人を更なる禁断のステージへと導きます。




その10分後、横浜に到着した時には二人ともコートの前を開けたまま思い切り別方向に飛び出して行きました。河原で全力で殴り合った後に全く友情が芽生えずに「次会ったらマジやってやんよ」とツバ吐いて別れた状況でした。


こういう友情もあっていいと思います。