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「切分」(せつぶん)

2016年2月 4日 12:14(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

2/3は節分です。

節分というもの自体には正直ろくな思い出がないので今年もやれやれこの季節が来たか・・と一種憂鬱な気持ちでおりました。

それでも今年は家族も増え、2児の父親として鬼という大役を果たさなくてはいけないという使命感だけは持ち合わせておりましたので重い腰を上げようと・・したのですが・・・。

昨日は仕事が午後休みの日でしたので自分を追い込むために通っている横田ボクシングジムにて5人相手に合計12ラウンドのマススパーをこなすという会長の認知症を本気で疑うレベルのハードワークをこなし、帰宅。
疲れてはいたものの、意外なほどにバテてはおらず、このまま子供達の相手もできそうだな、と思いながら夕飯を普通に食べ、さて鬼の面はどこだ、と探し始めていたあたりのこと・・・。

ピキッ、と肛門のあたりに痛みというか違和感のようなものを唐突に感じました。
なんでしょう、あまり経験したことのない感じです。
残便感、とでもいいましょうか、なんとも不快な感じに「ちょっと待っててね」と子供達に声をかけ、慌ててトイレへ。

トイレの中で肛門のあたりを確認しますと・・・あれ?何コレ?

なんだかついおとといまで確実にそこになかったものがあります。
ちょっと硬い感じでそうそう、ちょうど節分の豆くらいの大きさです。
肛門周辺を陣取り、存在を主張しています。
どうやら違和感の正体は間違いなくこいつのようです。

しかし・・・これは痔・・いやいやいやいやいやいやいやいや(固く目をつぶりながら)
学生時代に組んでいたバンドのドラマーの痔を散々こき下ろしていた記憶が脳裏によぎりました。

違う違う、痔のわけがない、だって運動だってしてるし食生活だって生活習慣だって気をつけてるし。そもそもほら、仕事上こういう病気にかかっていいキャラじゃないし。ああそうか、これアレだ節分のマメが肛門に突き刺さってるだけだ。

あははは、そうかそうか、と乾いた笑い声を上げながらトイレから出ると子供達が待っていました。

娘「お父さん、鬼やってよ」
「よしよし、いいぞ!」

そう言いながら鬼の面をかぶrピッキーン! うふぅん!
突然肛門に激痛が走りました。

「お父さん?」

「うん、な、なんでもないよ。ちょっと肛門にマメがね

「え?」

「うん、大丈夫だよ、でもちょっとだけごめんね、今年はお母さんに鬼やってもらってもらえるかな?」

「えーなんでー?!」

「ごめん、本当にごめんね 肛門のアポイントがちょっと

そのまま鬼の面を家人に渡すとお風呂場に駆け込みました。
気分的には肛門部の豆を引きちぎって風呂の窓から「鬼は外ぅぉ!」と投げ捨てたい気分ですがどうやらこれは認めざるをえないようです。我輩は痔であると。

とりあえず肛門から突き出ている未確認非行物体をPTAから確実に苦情が来る姿勢でとりあえず写メに納めておき、翌日の経過を確認しようと準備だけしてさっさと布団に入りました。

そして翌朝(今朝)、地元にある肛門科のクリニックへ朝一番で向かいました。

さすがに肛門からはみ出ているものの正体もわからずに薬局でお客様相手に「今日の体調はいかがですか?」とは聞けませんのでとりあえずコイツの正体だけははっきりさせておこうと思いました。相手の正体さえわかれば漢方でどうにでもできるのですが、専門的な検査だけはできませんのでここはおとなしく診察を受けてみます。

さて、肛門科には今までかかったことがありませんので軽く緊張します。
いったいどんな診断が下されるのかと戦々恐々としておりましたところ、「杉山さーん」と診察室からお呼びがかかりました。はーい!

診察室。

担当医として出てきたのはクリニックの院長先生、見た目が俳優の藤田まことさんに超似ています。若いドクターであれば「いやいや恵方巻きがうっかり肛門に突き刺さりまして」というアメリカンジョークを用意していたのですが、どうもそんな軽口が叩ける感じではありません。

とりあえず昨日の晩からいきなり異物が肛門から突き出てきた、という内容を伝えます。

「わかりましたではお尻出して向こう向いて寝てください」

「はい

言われるがままの姿勢になります。

「ああ、これか。血栓性外痔核だね。薬で治りますよ」

「あ、そうですか」

「冷えとか擦れたりとか・・あと過度の運動でも急にできることがあるね」

「あーボクシングしてるんですけど昨日結構ハードにやったんですよね・・」

「うん、そういうこともあるね」

「そうですか・・まあでも手術とかはいらなそうですね」

「ああ、それは大丈夫、極端なこと言えばほっといても治るよ」

「血栓性ならそういうことですよね、まあ・・よかったです。それなら肛門に指入れる必要ないですよね」


「まあとりあえず指入れとくわ」「おちょぼ!」

外痔核なのにとりあえずで指を肛門に挿入され悶絶してからこうして本日出勤し、溢れるリビドーをキーボードに叩きつけ続けています。世の中なんて滅びればいい。



鬼は外痔。