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改造人間の悲哀

2016年9月23日 14:14(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

いきなりですが2歳の息子が仮面ライダーにハマりました。

え?仮面ライダーゴーストかって?それが違うんですよ。え?ドライブ?違います、ガイム?それでもない、けっこう古いけどオーズ?ダブル?あはは、惜しいなあ。

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V3です。(画 たくや)

仮面ライダーV3といえば私が3〜4歳の頃に再放送で見ていた時代の作品ですが、昭和ライダーはやはりもう暑苦しいほどアツい。最近の平成イケメンライダーとは大分テイストが違います。
「悪の秘密結社に拉致された挙句に体を改造されて改造人間になる」という設定からして今現在だと放送に支障をきたす臭いがプンプンします。しかしそういう悲哀を感じさせつつ戦っているので今の平成ライダーにはないアツさがあるのかな、とも思います。

そもそも歌からしてアツすぎるのですが、最近の平成ライダーだとオープニングテーマを歌っているのも氣志團とか土屋アンナとかゴールデンボンバーとかまあその時期時期の歌手やバンドさん達であり、軽快な感じで軽快な歌詞を歌っているものがほとんどですよね。V3の場合、主演の宮内洋さんが熱唱しています。これって例えばフォーゼで言えば主演の福士蒼汰くんが歌っているようなものなのでそれはそれでアリなんじゃないの?と思われると思いますが歌詞がただ者ではありません。

例えば最近のオシャレライダーの歌の歌詞ですと

♫Fire Up,Ignition
♫ヘヴィーなプレッシャー
♫ぶっ壊して アクセル踏み込め

みたいな感じです。
軽快な感じでカッコいいですよね!


しかしこんなオシャレな感じは昭和ライダーには一切ありません。同じように重圧をはねのけて進んでいけ!という意味の歌詞でもV3になりますと

♫風の唸りに地が叫び 力の限りぶち当たるとなります。

オシャレ?知るかクソ食らえという姿勢がたまりません。

歌詞はアツいですが覚えやすく、ついつい大人になった私も気がつくと口ずさんでいたりするので子供の心を意外にもキャッチーに掴んでしまうのかもしれません。

また、一番盛り上がるであろう変身ですが、平成オシャレライダー達は別に改造されているわけでもなく、変身することに特段の悲哀や葛藤を持つわけではないので「変身」と結構軽い感じでカジュアルに変身します。しかし体をいじくりまわされた挙句にバッタ怪人にされた昭和ライダーの皆さんは怒りと気合が違います。V3の変身を言葉にするとこうなります。

「むぅん・・!!へんッ・・しん・・ブイスリャー!(絶叫)」

あまりに気合が入りすぎているために「ブイスリー!」が「ブイスリャー!」になっています。このあたり最高です。また、オシャレ平成ライダーの場合、変身効果音も「シャバダバタッチへんし~ん」とか「サイクロン!ジョーカー!」とか「スリー ツー ワン!」だったり「タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ・タトバタットーバー!」だったりとかなり個性的でリズミカルなものが多いですが、V3の場合ですと「ぽぴゅりゅりょん」というねえどこで拾ってきたのそれという感じのオシャマな音声になります。この辺のセンスが他の追随を許しません。

あとは武器ですね。オシャレ平成ライダーはこれはもう完全に営利目的個性的でとんでもない数の武器やギミックを装備しておりますが、特に初期の昭和ライダー達は肉体こそが武器であり、怪人をぶっ飛ばす必殺技も基本的にはライダーキック(蹴り)が中心となります。子供のために全く武器を購入する必要が無いために非常に経済的です。

早速うちの息子もライダーキックを習得し、「ライダーキック!」と言いながら私に攻撃を仕掛けてきます。絵的には非常に微笑ましいのですが、よく見ると本気の目で的確に私のスネ(急所)を狙ってくる辺りに恐ろしさを感じます。

と、まあこのように多くのお子さんと同じように我が子が仮面ライダーにハマり、かつ私が幼少の頃にエキサイトしていたV3を一緒に見るという機会に恵まれますと何というか息子を持つ楽しさというかそういうものを幸せに感じます。昨日もV3のお面を買って帰りましたところ、大喜びしてくれて「おとうさんとおかあさんがデストロン(←敵役の秘密結社)やって!」と私と家人に怪人役をせがんできました。微笑ましいなあ。

・・今朝方まで何度やっても息子から言い渡される配役が私が雑兵で家人が大元帥なのが我が家の絶対序列を如実に表している感がスゴイのでちょっと改造手術受けてきます。