HOMEタクヤブログ>バーガータイム

バーガータイム

2016年11月28日 12:28(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

「おとうさん、悪いけど今朝の朝食、昨日の夕飯の残りを片付けてくれない?」

昨日の朝、起きがけに家人からこのように言われました。

そう言えば昨日の夜は久しぶりに地方から帰ってきた友人に誘われて焼肉を食べて帰ったので家では食べていなかったな。

「ああ、かまわないよ。僕のやつ作ってくれてたのかな?」

「そういうわけじゃないんだけど、ちょっと作りすぎちゃって。朝から重たいもので申し訳ないんだけど」

と、言いながら家人が冷蔵庫から出してきたのはハンバーグ。確かに朝から食べるにはちょいとヘヴィーかつ、胃内には昨日の焼肉も若干あるので重々しさは否定できません。しかしもしここで拒否すると「ふーん。そっか、いいよね、自分だけ美味しい焼肉食べてきて」という要約すると「死ねよ」という意味のコメントが寄せられる可能性は非常に高いので、ここは少し無理をしてでも食べる必要性を感じ、温め直したハンバーグを温野菜といただきました。ふう・・予想通りなかなかにヘヴィーです。

苦しいおなかを抑えつつ、この日は昼間に娘が同級生のお友達と図書館に出かけ、戻ってきた後に新築に運びいれるための家具を見に家族で出掛けました。

家具屋にて子供達のベッドや机など、取り揃えられる範囲で購入を決めた後、時計を見れば既に時間は13時。お昼時に差し掛かり、子供達も「おなかすいた〜」と言い始めました。
お昼は軽めに済ませようと思っていたので家具屋を出て車で5分位のところにある和食レストランがいいかな、と思っていたので子供達に「じゃあもう買い物終わるからそしたら車ですぐのところにレストランがあるからそこに行こうね」と告げます。

娘「いやだ!おなかすいた!そこまでもたない〜!」
息子「いやや!おなかすいた!そこまれもたらい〜!」

姉と弟二人で地団駄大合唱が始まります。
このまま放置しておきますと児童虐待を疑われかねませんので「じゃあどうすればいいかな?」とあやすように二人に聞いたところ、『あそこがいい!!』と二人揃って家具屋の目の前にあるレストランを指差しました。

img_0.jpeg
あ・・・うん・・・

看板からも「ハンバーグ以外食べさせねえからな覚悟しろよ」という無言の圧力がビシビシ伝わってきます。どう考えても店に入って小粋に「とろろそば一丁!」「あいよっ!」となる雰囲気ではありません。

「あ・・あのさ・・やっぱり和食の・・」

娘「あそこがいい!あそこじゃなきゃいやだ!いやだ!いやだ!いーやーだー!」
息子「あしょこがいい!あしょこじゃなきゃいやや!いやや!いーやーやー!」

家人を見ると「観念しろ」という視線と共に指で首を掻っ切るしぐさを俺に投げかけてきます。・・・・まあ仕方ないから入って自分だけ食べないようにしようかな、と思いつつ観念して店に入ることにしました。

娘「わたしハンバーグ!」
息子「だいちゃんもはんばーぐ!」

店内に入るとむせ返るような肉の焼ける匂い。空腹時であればさぞやかぐわしい匂いなのでしょうが残念ながら今の自分にとっては胃酸を刺激する苦しい匂いでしかありません。
早速子供達が注文をし、自分はコンソメスープだけ注文しました。

ほどなくしてジュージューという音を立てながらハンバーグ登場。

640x640_rect_58139886.jpg

うぷっ・・

美味しそう!美味しそうなんだよ!いや!食べたら間違いなく美味しいのもわかるんですよ!でもさ!でも今の俺にはサ!と脳内で言い訳をしながら子供達に早く食べるように促します。

「わーおいしそう!」
「わーおいしそう!」

二人でハンバーグにかぶりついています。8歳の娘はハンバーグとチキンステーキのコンボ。
生意気に2歳の息子のハンバーグもお子様ランチなのですがかなりのサイズです。
この時、ふといやーな予感がしました。そしてそれはこの後すぐに現実になるのですが・・・。

十数分後。

「もう食べられない〜!」
「もうたべられない〜!」

ものの見事に食い残しました。

そりゃそうです。
大人でも結構しっかりした量が出ているのにうちの少食のチビどもが食べきれるわけがありません。それはまあそれで仕方のないところなのですが、こういう時に困るのが我が家のシステムのひとつで・・

「おとうさん!食べて!」
「おとーたん!たべて!」

我が家では常々「食い残しは作ってくれた方に失礼、許しません」と言い聞かせており、どうしても残った場合は親が責任をもって食べるというものです。誰だこれ考えやがったのは!!ああ俺だよ畜生めが!と自分で自分を脳内でメリケンサックで殴り続けます。

先程から家具屋の会計を済ませてからすぐに合流すると言った家人も一向にやってくる気配がありません。ケバブにして回しながら焼いてやりたい欲求に駆られます。
しかし子供達にいつも言い聞かせていることを自分で曲げるわけにはいかず、結局二人の残したハンバーグ、合わせてほぼ1人前を完食することになりました。

・・・なんとか本日2回目のハンバーグをたいらげ、ややグロッキー状態で家に帰宅。「おとーさん、あそこのハンバーグ美味しかったね!また行こうね!」と笑顔で無邪気に聞いてくる娘に「うん。来世でね」と笑顔で答えつつ、この日は夕方6時より休日急患当番に入っていることを思い出して憂鬱な気分になりました。胃もたれしたままで仕事に向かうのはやはりブルーな気分です。こういう日に限って家にストックしてある漢方の消化薬が切れている辺り、ついていません。

それでも当番は当番ですのでしぶしぶと車に乗り込み、市の急患センターへと向かいます。
到着した時刻は17時35分。診療の始まる18時までに夕飯を食べておかなくてはいけません。幸いなことに急患センターで出るお弁当は大抵が魚料理でヘルシーなものが多く、今日のような状態であれば有り難いわけです。受付に挨拶をし、センター内にある薬局へ。部屋の電気をつけて機械達にも順番に電源を入れ、白衣に着替えます。

大方の準備を終えて時計を見ると17時45分。あと15分あります。

薬局のデスクの上においてあるお弁当箱。
さて、じゃあ軽く食べてお仕事頑張りますかね。と、呟きつつ今日はさばの味噌煮か白身魚の磯辺揚げかな・・・

IMG_9284.jpg
てめえ合いびき肉この野郎!!


割り箸を箸袋ごと壁に叩きつけます。

なんなんでしょう、なんなのでしょうこれは。国家ぐるみの嫌がらせとしか思えません。どこの家に三食ハンバーグ食べなきゃいけないお父さんがいるんだよ!料理勝負で大量試作中のミスター味っ子じゃねえんだよ!


ハァハァ言いながら粉々になった割り箸を拾い上げてハンバーグだけ残して完食しました。
もう当分ハンバーグは見たくない。