去年の暮れに家を建てまして。

まあ僕が、というよりはどちらかと言えばうちの家人の念願のマイホーム〜という感じで気合の入りようが異常サイコパスレベル熱意に溢れるものでして。
私としてはしっかりした家ならアレコレ悩まなくていい建売でもいいのではないか、と思っていたのですが家人のこの時のテンションは「座右の銘はなんですか？」と問われた際に
「そうですね「注文住宅」かな」と答えかねないほど高く、僕の楽してもいいじゃないか的な発想は早々に却下され、約１年に及ぶ工務店さん通いを経てようやく完成した、それはそれは家人の情熱に溢れた宝物、というわけです。

で、なんでこんな事を今頃になって私が言っているかといいますとね、ちょっと今日家の寝室で着替えをしている時（家人、子供は爆睡中）に

壁にこんなものを見つけちまいましてね。
直径１センチほどの穴が空いています。

ちょっと見た程度ではそこまでひどくはないですが、おそるおそる触ってみると結構深くえぐれています。
指でこちょこちょやってごまかしの効く感じではないようです。
なにをそんなにビビってるんですか？と皆様は感じておられるかもしれません。
もちろんそうですよね、心当たりがなければきっと子供が暴れたり何かの拍子に何かがぶつかって・・という事で済まされるとは思います。心当たりがなければね。

つい先日、息子がベッドで横になって本を読んでいる僕に向かって新幹線を投げつけてきた事がありまして、最初は笑いながら「やめろよー！」と返していたのですが、面白がってエスカレートさせた息子の投げた新幹線が僕の額を直撃しまして。
さすがに「いい加減にしなさい！」と飛んできた新幹線を息子のいない方に向けて思いっきり投げつけた記憶があるようなないようなその時にそういえば壁がドンっ！ってすごい音がしたようなしないようなわかりやすく言いますと完全に麻呂がクロでおじゃる。

ど、どうしよう　どうしよう　バレたら壁の穴埋める前に僕自身が山に埋められます。初夏の陽気で心地よい気温なのに汗が止まりません。

「う・・う〜ん」

！！
その時いきなり家人が寝返りを打ちます。

瞬間的に殺られる前に殺るかという衝動に駆られますが何とか思いとどまり、息を潜めて家人の動向を見守ります。

・・そのままスースーと寝息を立て始める家人。どうやら再び寝入ったようです。
土曜日の朝　亭主が出勤する準備をしているのにガン寝してる生活態度にいつもは憤りを感じますが今日に限っては願わくば永遠に眠っていてほしいと思います。

「ママがいい！！」

！！
次の瞬間２歳の息子が寝言を叫びながら家人の顔めがけて右手を振り下ろしました。
衝動的に息子を窓から投げ捨てかけましたが何とか思いとどまり、息を潜めて家人の動向を見守ります。

・・「いったあ〜い・・」と不満げに呟きましたがそのままスースーと寝入る家人。寝ることに関しては筋金入りです。

おいおい・・もう心臓に悪いよ・・いい加減にしてくれ・・

ピピピピ　ピピピピ　ピピピピ　ピピピピ　「おぷちん！」

いきなり目覚ましが鳴り始めました。
そう言えば昨日の夜新しく買ったんだと娘が目覚まし時計を嬉しそうにセットしていました。何もこんな時間にセットしなくてもいいじゃないか愛娘！可愛いよ愛娘！！

慌てて目覚ましを取り、音消しボタンを探しますが・・あれ？なんだこれ！？ボタンが無い！？ど、どうすんだこれ！？

パニックになりますがその間も目覚ましは無情に鳴り響き、次第にその感覚が狭く、音が大きくなっていきます。

ピピピピピピピ　　ピピピピピピピ　　ピピピピピピピピ

「う・・うーん？」
「うるさいの・・・」
「グーグー」

やばい！家人と息子が起きそうになっています（セットしやがった愛娘だけ微動だにしません）！
まずい！まずい！起きて穴見られたらごまかしようがない！ああああああああああああああああああああああ

ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ　ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うるせえ！と壁に向かって時計を投げつけました。

・・・この後　私がどうなったかは薬局に来てご確認下さい。足一本もげてても引かないでくださいますようお願い致します。