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糖尿病を漢方で治すには!?

2009年12月19日 15:51糖尿病のお話

一般的に糖尿病という病気は「すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用不足によって高血糖状態が続く病気」と説明されます。

しかしこれはあくまで西洋学的な考えです。

では漢方、特に中医学ではどのように考えていくかというと・・

中国の古い医学書に「消渇病(しょうかつびょう)」という病名が出てくるのですが、これは口が渇いて大量の水を飲む。食べても食べても体が消耗して痩せてくるというような特徴を持った病気として紹介されています。まさに糖尿病にあたるものですね。

全身倦怠感や脱力感、消耗が続く状態を中医学では「気虚(ききょ)」と呼びますが、簡単に言うとこれはエネルギー不足の状態。

また、口渇や皮膚の乾燥、便秘(コロコロした乾燥便が出る)などは体にとって必要な体液、血液、水分の不足によって現れる状態であり、これを中医学では「陰虚(いんきょ)」と呼びます。

糖尿病の多くはこれらの2虚状態が合わさって起こることから「気陰両虚(きいんりょうきょ)」という分類がされることが多くなります。

ではこの状態を放置しておくと一体どうなってしまうのか??

まず、慢性的なエネルギー不足が続くことにより、血液を巡らせる力もなくなってしまうため、血流が滞りやすくなります。さらに体液が不足することにより血液が濃くなるわけですから当然血はどろどろになりやすくなります。

血液の流れが悪くなり、血自体がドロドロになった状態は「瘀血(おけつ)」と呼ばれます。
(瘀血(おけつ)について詳しくはこちらのコラムを参照のこと)

まとめますと、糖尿病の基本病態というのは「気陰両虚」→(それが進むと)「瘀血状態」ということになります。

更にこの状態が進むと臓器や組織の毛細血管で瘀血が進んでいくと、臓器や組織の機能はどんどんと低下し、血管自体もぼろぼろになってしまいます。具体的には糖尿病の三大合併症と言われる「糖尿病性腎症」、「糖尿病性網膜症」、「糖尿病性神経障害」が発症してきます。これら全ては血管の損傷から症状の進行がスタートします。

毛細血管など細い血管での瘀血進行はこれらの疾患を招きますが、より太い血管でこのような状態が進むと心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる疾患を誘発してしまいます。

それでは具体的に中医学での糖尿病対策としてどのような手段があるか、といいますとまずベースとなるお薬は2種類。

①瘀血状態を改善させる代表的な製剤である「冠元顆粒」

②気を補い疲労倦怠を改善させ、体内の体液を増やす力を持った「麦味散顆粒」

というお薬を使います。

どちらも各々の病態を改善させる代表的な製剤であり、症状の根本治療に非常に高い切れ味と効果を持つお薬です。

ただし糖尿病の病態は非常に複雑です。処方には必ず加減が必要になりますのでこれら2種を併用することをベースに考えてはいきますが個人の体質や病態にベストマッチする処方の選択が必要になりますので必ずご相談下さい。

血糖値だけに気をつけるのではなく、合併症や糖尿病により表れる不調の改善や予防をしっかり漢方薬を用いて行っていくことが大事です。

日本人の糖尿病患者は可能性がある人を含めると2000万人に迫る勢いだと言われています。

重篤な症状が出たときにはもう手遅れ・・ということもあります。特に腎症や網膜症では人工透析や失明の危険性があり、前述したように心筋梗塞や脳梗塞では最悪死亡につながる危険性もあります。
患者数が多いとか進行が遅い病気だから、と気を抜いては絶対に行けない病気です。

漢方による根本治療の重要性と必要性、またその有効性は間違いのないものと考えておりますのでお悩みの方はできるだけ早い状態のうちにご相談いただくことをお勧めいたします!

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