新型ノロウイルスにも漢方の考えで対抗できる
2015年11月 5日 11:18元気で長生きのお話
新型ノロウイルスが流行の兆しを見せている、ということでお仕事をされておられる方はもちろん、小さなお子さんをお持ちの親御さんや高齢の方などもさぞご心配のことかと思います。
ご存知の通りノロウイルスに効果のある抗ウイルス薬というものは未だ存在せず、感染し、発症した場合はひたすら対症療法で体力の消耗を防ぐ、という手段しかとれないと思われがちです。
しかし漢方ではこうしたノロウイルスやインフルエンザウイルスなど、常に変異する可能性のあるウイルスに対して都度ワクチンを作る、という時間のかかる後手に回りがちな対策ではなく、免疫力と防衛力を高めることで、ウイルスなどの外部からの邪気を自らの力で取り除く体づくりを基本とする考え方があります。
病気を受け止め、排除するために必要なエネルギーである「正気(せいき)」を養うこと、邪気を体に入れてしまった時はそれを取り除くための漢方などを用いることをうまく組み合わせることで体は外部からの邪気に対してその形が変わろうとも上手に対応することが可能となります。
常に環境により形を変える邪気(ウイルス・花粉・ハウスダストのほか、暑さ・寒さ・湿気など様々なものを含む)に対してはそれを受け止める体の強化が何よりも大切になります。また、この邪気は外から入ってくるものだけではなく、内部から発生するものもまたあるわけですからやはり日頃からの良い生活習慣も欠かせません。
その上で漢方を用いての正気を増やすこと、邪気を早く追い出すことをうまくやれば「新型ウイルス」に過剰にビクビクしなくても良くなると私は考えています。
ちなみに正気を増やす漢方薬には玉弊風散(ぎょくへいふうさん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)などが、邪気を取り除く漢方薬、生薬には葛根湯(かっこんとう)、銀翹散(ぎんぎょうさん)、板藍根(ばんらんこん)などがあります。もちろんまだまだ症状によりたくさん種類はありますので是非ご相談ください。
これからウイルスが活発化するシーズンを前に良い予防策をご提案させていただきます!