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雛 looks me

2015年3月 3日 17:41(できる限り)毎日更新 乱れ書き日記

これを書いている今日。世間ではひな祭りに浮かれ回っています。

生来ブレることなく男の子を貫いてきた私ですので基本的に「ひな祭り」などというものに一喜一憂する人生など微塵も送ってきた記憶がないのですが、ここにきて長女が生まれるというエクスペリエンスに遭遇したもので、数年前より人生史上初めてとなる「ひな祭りの当事者の関係者」になるという経験を毎年過ごさなくてはいけなくなりました。

ああ 別にひな祭り自体がイヤ、というわけではありません。
娘のために雛人形を飾り、健やかな成長を願うということ自体になんら問題はありません。強いて言うなら毎年の雛人形の準備と後片付けの煩わしさくらいでしょうか。そんな程度のものでした。

・・・今年までは。

どういうことかと申しますと、昨年の8月に私の誕生日の5日前という絶妙のタイミング(この先の私の誕生日というイベントを喰い潰し続けるということです)で生まれた長男がまだ幼く、家人の授乳なしでは眠れないということと長女もまた家人なしでは眠れないという甘えん坊将軍満開の現状ということでもともと夫婦のために購入したクイーンサイズのベッドに私のようなオッサンのスペースが自動的に消滅し、一人、寝室の隣の和室に布団を敷いて寝ているという状況が続いております。

それ自体は別に嫌というわけではなく、むしろ寝ている時に的確に私の急所を狙ってくる娘の寝相や地球外生物のような息子の夜中の奇声などとは無縁の心地よい睡眠を得られるという恩恵をあずかっているくらいの気持ちでおりました。

ですからなんの問題もなく、ひな祭りというイベントもまた、先月の節分に続く数ある家族の中のひとつでしかない(節分はひどい目にあいましたが)という認識でおりました。

今年から発動したひな祭りの問題点、それは「私の寝ている部屋に雛人形の段が飾られた」ということなのです。

・・・・別にいいじゃないか、何か問題があるの?って顔してますね皆さん。

ええ、確かに別に問題はないですよね一見。私も最初はそう思ってました。

畳の和室に例年通り雛人形を飾り、テンションの上がる娘に目を細めつつ、いつものようにお風呂に入り、家族皆で「おやすみなさい」とそれぞれの部屋へと分かれます。

私の場合ご存知の方も多いと思いますが夜9時半に就寝し、朝4時半に起きるというインド人もビックリの睡眠生活を送っておりますが、9時に他の家族が寝室に入り、私も読んでいた小説を9時半に枕元に置き、カチカチと部屋の電気をいつものように消します。

そのまま目を閉じてゆっくりと眠りにつきます・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・??

・・・・なんだろう背後に人の気配を感じます。

手元にあったスマートフォンで明かりを点けてみます。









雛.png


雛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぎゃああああああああああああああああああああ」



薄ぼんやりとしたスマートフォンの明かりに照らされた雛人形がじっとこっちを見ています!
こええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!


思わずスマートフォンを力一杯放り投げて布団をかぶって念仏を唱えます。
「なんまんだぶ何万ダブルポーカー圧勝」

うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
こえええええええええええええええええええええ!!!!!!
丑三つ時に、しかも一人で、しかも密室で、しかも仄暗い照明で見る雛人形の不気味さといったらありません。

10数年前に「ヒャッハー!」と伊豆の海に飛び込んだ岩場に数え切れないウミウシがうごめいていた時以来の衝撃です。

やばいやばいやばい怖い怖い怖い

必死で脳裏から今の雛映像を取りさらおうと必死で楽しい事や素敵な映像などを頭に思い浮かべますがウミウシの映像と雛映像がありえないコラボを繰り広げてむしろ不気味さが倍増しています。ものすごい動悸がします。

このままでは絶対に安眠なんてできませんし明日の仕事にも間違いなく差し支えます。
ここはもう男として勇気をふりしぼって状況を打破しなくてはいけません。

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」
そう繰り返しながらガバッと起き上がり、渾身の力を込めて雛人形を後ろ向きにします。
これでどうだ!!



雛2.jpg

なんか逆にこえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!


「振り返りそう」という意識でむしろ不気味さが倍増しました。

結果的にいつしか振り返るんじゃないか、という恐怖感がプラスされた状況で他の家族が寝ているところに「雛が雛が」と言いながら避難することは一家の大黒柱としてどうしてもできず、そのまま一睡もできず、途中朝4時ごろに雛人形に手製のお札を貼り付けてみたところキョンシーみたいになってさらに恐怖感が増したという自爆を繰り返し死亡。

雛 looks me.