胃腸の不調には漢方!
2007年11月 9日 14:46胃腸のお話
皆さん、日常生活で胃腸の不調というのは臓器の不調の中で最もわかりやすく感じ、そして最も不快に感じる症状ではないでしょうか?
胃腸は臓器の中でも一番敏感なので、ストレスの影響を顕著に受けて機能が低下し、胃部不快感から始まって胸やけや吐き気、はては胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの症状を引き起こすこともあります。
私の場合 銀行のATMで30分も並んだ挙句に直前のおばあちゃんが操作方法がわからずに悩んでいるので「よかったらお手伝いしましょうか?」と声をかけたところ「最近そうやって近づいてくる輩が多くて困るわい」と完全に善意を誤解された上に結果さらに30分待たされたというストレスで胃腸が破裂しかけた記憶があります。(完全に余談です)
さらに胃腸は栄養の供給源ですので胃腸に障害が生じると、栄養の供給が悪くなり、全身の健康に悪影響をきたしてしまうのです。
胃腸が弱くなると起こる症状は、肌が荒れる、口のまわりに吹き出物ができたり、口内炎ができる、肌が黄ばんでくる、という外見的なものから手足がだるくなる、のどがつまって、よく咳払いをする、意思が弱くなり、物事を憂いやすくなる、急に甘い物が欲しくなる・・など内面的なものまで様々なものがあります。
こういった症状をいくつか感じることがあればまず胃腸への障害を疑ってみてもよいかと思います。そしてこれらの症状を総合的に見た上で、胃腸機能を整える為に漢方で治療しましょう。
漢方では、人間の臓器を「木(=肝)」、「火(=心)」、「土(=脾胃)」、「金(=肺)」、「水(=腎)」の5つに分けて考えますが、ここでいう脾胃とは現在の消化器全体を指すもので、胃腸はここに含まれます。
胃は「五臓六腑の海」といわれ、「五臓が病んだらまず、胃から治せ」といわれるほど重要な臓器なのです。
では具体的にどういう漢方を服用するのがよいのか?
漢方治療で有効な胃腸障害のタイプを簡潔に分類してみました。
(1)胃内停水タイプ
漢方では、病気は気候風土の影響を強く受けると考えます。湿気が多いと、胃腸が障害を受けやすいので、梅雨時や湿気の多い地方に住む人などは気をつけていただきたいのですが、体内の水はけの悪い方は湿気の多い時期には顕著に胃の具合が悪くなります。
胃の中でチャポチャポ音がするような人はこのタイプです。
こういった症状には体内の水はけをよくする漢方が効果的です。
(2)暴飲暴食タイプ
いわゆる暴飲暴食により消化機能がパンクしてしまい動かなくなってしまったような状態。
消化機能を促進させ、暴飲による余分な水分を体から追い出すような漢方の胃腸薬が効果的です。
(3)ストレスタイプ
ストレスを感じたり緊張すると胃がキューッと痛くなったり、腹にガスがたまって苦しくなったり、腹痛を伴った下痢や便秘を起こすという人がいますが、これを放っておくと胃や十二指腸に潰瘍を引き起こすこともあります。
漢方では,ストレスによって発する胃腸症状はある種の肝機能異常と関係があると考えています。
それは,漢方でいうところの「肝脾不和(かんぴふわ)」あるいは「肝気犯胃(かんきはんい)」といわれる病症です。
漢方薬はこういったストレス性の症状に効果のあるものが多くあり、得意分野といえますが、なるべく早めのご相談が大切になります。
(4)冷え、血流不全タイプ
血流の不全は臓器の働きそのものを悪くしてしまいます。血流を改善させ、体を温める漢方を服用することにより低下した胃腸機能を回復することができます。
おおまかにわけるとこのような感じです。
また、「薬食同源」という言葉があるように、食事は胃腸の不調をはじめ全身の病気の改善に重要な役割を果たします。
特に消化を担う胃腸に関して食事の内容はストレートに影響を及ぼします。
すべての食物には、体の構成材料やエネルギーになる成分が含まれていますが、同時に食物は漢方薬としての効果をあわせ持っています。
では胃腸が弱っているときの食事はどのようなものがよいのか?
まとめてみましたので参考にしてみてください。
しょうが、大根、しそ、人参・・・・消化を促進してくれます。
特に人参やしょうがは体を温めてくれますので特にオススメ、なるべく毎日摂りたいものです。
にんにく・・・・多量に食べると、胃の弱い人には逆に負担になるので注意。
少量なら、腸の運動を活発にします。(必ず火を通しましょう)
その他、にらやごま、やまいも、いちじく、陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)などもおすすめです。
上手に料理に取り入れていきましょう。
ポイントはなるべく栄養成分を逃がさずに全て食べるようにすること。
たとえばシチューやポトフのような煮物料理が効率よく全ての栄養を摂取できると思います。
また、食後は横にならず、適度に体を動かすことで、胃腸の消化を活発にさせます。
しかし胃腸の病気を予防する生活法はクヨクヨせず、前向きに毎日を送ることだと思います!
自慢ではありませんが私が先日某セミナーで「ストレス度チェック」なるものを行ったところ、100点満点中なんと3点でした。
(幼稚園児並みだそうです)
・・・・・園児並み・・・自慢になりませんね。