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「解熱剤の使い方」の正誤

2008年1月31日 14:24カゼ、インフルエンザのお話

風邪の流行る季節になると患者様やお客様から決まって聞かれる質問が「解熱剤」についての話です。

質問の内容は大きく分けて・・
①体温は何度から使ってよいのか
②何時間間隔をあければいいのか
③他の薬との併用は可能か

このようなものが多いのですが・・

それより以前に皆さんに問いたいのは「解熱剤を使う意味」です。
大多数の皆さんが言われている解熱剤というのはいわゆるアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの化学成分のことですが、これらは一般的に鎮痛作用と解熱(抗炎症作用)を持つものが多く、病院や薬局などで手軽に手に入れることができるため、皆さんは「風邪だし」と機械的に服用されておられる方が多いのが現状です。

「風邪で熱があるから熱を下げなければいけない」
この考え方は残念ながら100点満点で30点というところでしょうか。

確かに風邪やインフルエンザによる39度や40度近い熱というのはひきつけや肺炎などを引き起こす危険性もあり、脱水症状や体力消耗により特に高齢者には危険な事態を招く原因にもなり得ます。

こういった時に解熱剤を使うことに対しては異論はありませんがではいわゆる「微熱」と呼ばれる体温(個人差がありますので明記はしませんが)の段階で解熱剤を使う必要はあるのでしょうか?

私の答えは「NO」です。

本来身体には侵入してきたウイルス等の異物と戦うために熱を出すシステムがあります。つまり「熱を出す」ということには回復に向かう上で意味があることなのです。

その熱を無理やり下げてしまったらどうなるか?

当然体内に侵入した異物と戦う力を奪われ、治りは遅くなってしまいます。そればかりか後日にさらに重篤な症状を招く恐れすらあります。

このように化学成分を抽出した薬品にはピンポイントの強い効果を期待できる半面、それによって生じるひずみというものが必ずといっていいほど存在します。

これに対して漢方で「熱」をとらえる場合、定義として「熱を冷ます」というよりは「余剰な熱を発散させる」という考え方になります。すなわち異物と戦う力を無くすことなく身体にとって不快になる余剰な熱を身体から取りさらってやろうという治療法です。

漢方の解熱剤としては「地竜」(ミミズ)がよく知られていますが、単体で用いるよりもその時の熱を出す原因を根本治療させる漢方薬と併用して飲む方法が有効だと私は考えています。

熱=解熱剤で熱を押さえつけ下げる・・のではなく、
熱の原因を特定→それに応じた漢方薬で余剰な熱を発散させる

これが熱による不快な症状を避けつつ体内の機能として異物と戦う熱を生かす正しいやり方だと私は思っています。無論急激な体温上昇や前述したとおり高齢者の急な高熱など化学成分の解熱剤が活躍する場面も多々あり、状況に応じての使い分けを上手に行うのが正しいやり方だと思います。

一目惚れによる急激な発熱など下げようのない熱以外にはすぐに対応いたします。ご相談下さい。

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