これでカンペキ!?夏の食養生①
2010年7月27日 17:24夏の病気のお話
日本の夏は「高温多湿」です。
こういった気候風土で暮らす我々日本人はもともと皮膚からの水分発散が難しい体質とされています。余分な水分は汗ではなく尿からの排泄に頼らざるを得ないわけですが、夏場はどうしても喉が渇き、過剰な水分を摂取しがちになることにより、体内に余分な水分が溜まることによりむくみや消化不良などの症状を引き起こしやすくなるわけです。
「暑さ」と「湿気」。
体調不良を引き起こす二大原因が共存する日本の夏は過ごしにくい季節であることは間違いありません。
漢方薬を効果的に用いていくのも有効な手段ではありますが、今日は「医食同源」の観点から夏の食養生についてお話ししていこうかと思っております。
基本的に薬膳の考えに基づいて食材を考えていきますと、暑い夏には「身体を冷やす食材」ではなく「体内の熱を冷ます」作用のあるものを主体としていきます。似ているようですがここを間違えてはいけません。体熱を冷ます食べ物は「苦味のある食材」が主です。
例を挙げますとゴーヤ、ごぼう、にが菜、魚の内臓などがありますがやはり夏はゴーヤなどが一般的でしょうか。ゴーヤの調理法として茹で吹きこぼすことで苦味を取る方法が良く言われますがこれはNG。ゴーヤのせっかくの苦味成分が飛んでしまうからです。塩でもんでから調理するのが苦味をマイルドにしながら栄養をしっかりと摂る事のできる方法です。
ゴーヤに豆腐と卵を混ぜて作る「ゴーヤチャンプルー」は体内の熱を取るゴーヤに胃腸を温め、保護する力のある「豆腐+卵」という素晴らしい組み合わせの料理です。先人の知恵と言うべきものですね。
苦味の他にも体内の熱を取るもの、それはスイカ、きゅうり、トマト、なす、メロンなどの夏に旬を迎える食材です。これらには全て胃腸の働きを補い、身体の熱を冷ます作用があります。
水分が多く含まれるという特徴もあるため、喉の渇きも癒してくれます。汗として流れ出た水分を補充すると同時に排尿を促し、体内の水分代謝も改善してくれるという素晴らしい効能を持ちます。
暑さでのどが渇いた時には冷たい清涼飲料水などではなく、夏野菜や果物を積極的に摂取するほうが身体に栄養を与えながら水分補給が出来ます。まさに一石二鳥ですね。
水分や糖分が多いスイカやトマトに塩を振るのもきちんと理由があり、塩を加えることにより、過剰な水分や当分の摂取をしないようコントロールしてくれるのです。いやはや・・旬の食材の素晴らしさと先人の知恵には驚くばかりですね。
いかがでしたか?
今回はここまでがいわゆる「日本の夏」の特性からの食養生です。
次回はこれにちょっと加える形でクーラー病などに代表される「現代の夏の食養生」についてお話ししたいと思います。