快便は健康のバロメーター!
2010年12月29日 13:03腸や便秘の話
漢方相談をしておりますと、便秘にお悩みの方が本当に多いと感じます。
便秘を主の訴えとしておられない方でも慢性化し、それが普通になってしまった場合はそのまま放置しておられるケースも少なくありません。
しかし「便通」は健康の大きなバロメーターになります。健全な体にはやはりきちんとしたお通じがあるものです。
お通じは身体の消化→吸収→排泄という健康を維持する流れの一番最後を担うポイントです。すなわちお通じがなければ体内に排泄されない不要分が蓄積し、それが腐敗し、身体に悪影響を及ぼします。
具体的には肌荒れや胃部や腸の不快感、倦怠感などから始まり、放置が続けば悪性腫瘍などの原因にもなっていきます。
便秘の原因には深いところに「冷え」が潜んでいることが大変多いのですが、その根本原因となりうる冷えを作り出す原因と言うものが実に様々です。
女性に便秘が多いのは「血液不足(血虚)」体質が多かったりやはり冷える環境や恰好をされている方が多いというのが原因としてあると思います、女性はそれでなくとも毎月の生理で血液を男性よりも失う傾向にあるため、ケアが必要な方が多いと考えられます。
一方、男性に多いのは疲労やストレスに起因する便秘。あとは生活習慣(喫煙、暴飲暴食、不規則な食事、不眠、運動不足など)が大きな原因になっていることもあります。疲労やストレスが続くと身体を巡るエネルギーが減少したり、流れが滞り(気虚、気滞)、結果として身体全体の血流なども低下し、身体が冷えていくわけです。
便秘の原因は一つだけ、ということはまずありません。色々な要因が積み重なって起こるため、きちんとした原因の見極めが必要になってきます。
ここで安易な「下剤」の仕様はあまりお勧めできません。と、いうのも下剤の性質は西洋薬も漢方薬も基本的には「冷性」のものが多いためです。どうしても辛い時の使用は致し方ないかとは思いますが、常飲することで結果的にますます腸内を冷やし、便秘傾向を悪化させることにもつながりかねません。
よく「1週間に1度便通があればいいんです」とおっしゃる方もおられますがご当人にとってはそれが通常のリズムだとしても身体の中からは渓谷のアラームが鳴り続けている状態です。
風邪は万病のもと、冷えは万病のもと、などと言われますが、「便秘は万病のもと」という文言を足しても良いと私は考えています。それほど便通と言うものは身体にとって大切な生理機能です。
原因を追究し、完全に便秘を治すというのはその原因は根深ければ根深いほど時間がかかるものですが、小さなお子様の便秘や高齢の方の便秘などにも漢方薬はきちんと完治のためのものを選ぶことが可能です。
ただ、便秘の漢方を選ぶ時にはいつも言っておりますように「病名から選んではいけない」の法則がより一層厳しく適応されます。
つまり効能効果を見た時に「便秘」と書かれているものは前述しましたように「下剤」として用いられる漢方であることが多いからです。短期的で急性的な便秘であれば問題ありませんが、慢性的で原因が深いところにある場合は盲信的に使うのはNGです。ご注意を!
快便から得られる健康を是非漢方を用いて手に入れていただきたいと思っております。
お悩みの方はお早めにご相談くださいませ。