もともと食が細い、食べるとすぐに下痢になってしまう・・食後にすぐに眠くなる、またはあまり食欲がわ
かない、という方は漢方の言葉で「脾胃の虚弱」と言います。

簡単に言うと消化や吸収の力が弱く、食べた物を上手にこなして身体に必要なエネルギーを作ったり蓄えたりすることができないタイプです。消化吸収の力は人が健康に生きていくのに欠かせない力であり、この力が弱い人は一般的に太ることができず細身で顔色が悪く、体力がなく、疲れやすい、気力がわかないなどの悩みを持っている方が多いのが特徴です。

「いくら食べても太れない」というお悩みは太っておられる方にとってみれば「ぜいたくな！」ということにな
るかもしれませんが、太れないというのはそれだけ体内にエネルギーを作れていないということでもあるのです。

胃腸を中心とする消化吸収系の不調は体調だけではなく精神の健全さにも直結するだけに心と体の健
康を作る上ではおろそかには絶対にできない部位です。

では例えばどんなお薬を使っていけばいいのか？「補中益気湯」や「イスクラ健脾散」は弱った脾胃を立て直し、元気に強く生まれ変わらせる漢方薬です。特に軟便がちで元気の無い方には健脾散が大変にお勧めです。

暴飲暴食、ストレス、不眠などの生活習慣によって脾胃は常に刺激され、弱らされてしまいます。最近未だに「１日２リットル」等と言われていますが過剰な水分の摂取なども逆に脾胃を痛めることになってしまいますので注意。世の中に出回っている「健康神話」には間違いが溢れております。

正しい知識で脾胃をケアしてください。難しい場合はどうぞご相談あれ。

身体の中心は「脾胃」です。
こんな世の中です、上手に漢方を使って元気を作っていきましょう！