漢方薬でアレルギーと向き合う「標治」と「本治」
2013年3月23日 10:32花粉、アレルギーのお話
アレルギー疾患と一言に言ってもアトピー、ぜんそく、リウマチ、花粉症などなど様々なものがありますが、東洋医学の面白いところはアレルギーという疾患に対して「標治(ひょうち)」と「本治(ほんち)」という二つの治癒への考え方がある点です。
標治とはアトピーのひどいかゆみ、気管支ぜんそくの激しい咳、アレルギー性鼻炎や花粉症の止まらないくしゃみや目のかゆみなど辛い症状を抑え、楽にする方法の事をさします。これは西洋学のコンセプトに似ていますよね。
一方で本治とはアレルギー疾患にかかわりのある臓腑である脾、肺、腎の機能が低下したりバランスを崩した時にアレルギーが酷くなるという考えから症状を根本的に取り除く為に体質そのものを改善させて行く必要があるととらえ、実際に根元から改善させて行くやり方の事をさします。
これが東洋医学にしかない考え方です。
辛い症状を抑える事も大切ですが一方で発症するのには必ず体のバランスが崩れているという原因があることを考えれば一時しのぎは結果としてその体質を悪化させて行く事につながる可能性が高いわけですから体質の再構築と言う多少の時間をかけても根本治療の必要性と有用性が高いことはご理解いただけると思います。
標治で辛い症状を緩和しながら本治で次のシーズン、今後を見据えて行くことこそが本当の意味での治療であると私は考えています。