化学薬品は「副作用ありき」です。
2014年5月23日 11:54元気で長生きのお話
日本人で薬(化学薬品)を生まれてから1錠も飲んだ事のない人、というのはおそらくほとんどおられないのではないでしょうか。
日本においてある年齢に達すれば薬を飲むのは至極当たり前のこと、として認識されています。高血圧、高血糖、高コレステロール・・病気は様々ですが病院での検査で「異常」と判別されたら基本的に薬の服用を勧められ、大半の方はそのまま少しずつ増えて行く薬をほぼ一生に渡って飲み続ける事になります。
今までに何度か言ってきましたが化学薬品というのは副作用ありきのものです。
つまり、「副作用は出て当たり前」ということです。
ほぼ必ず出てくるであろう何らかの副作用と、その薬の主作用をてんびんにかけて「主作用の方が上」と判断して初めて薬を飲む、という決断に至るわけです。
私が日常の相談業務の中でどんなに少なくとも1日に1回は聞くであろう言葉として「病院の薬を飲んでいたんですがなかなか治らなくて」というのがあります。
ここに最大の間違いがあります。
基本的に病院の薬を慢性疾患について飲み続けていても治る病気は1つもありません。高血圧、高血糖、高コレステロール・・・薬のおかげで「完治する」ということは絶対にありません。
それどころか薬のもつ副作用で身体は少しずつ削られて行きます。肝臓・腎臓、薬を代謝する臓器は多くの薬を毎日代謝する事で負担を強いられ、体の中では異物として入って来た薬により何らかのひずみを生み、それが日々蓄積して行くのです。
もちろん薬を飲む事自体が悪ではありません。
しかし私が言いたいのはその薬を飲む基準があまりにも低い、という事実です。
つい先頃、いくつかの病気の判断基準が引き上げられたのをご存知の方は多いのではないでしょうか。例えば高血圧であれば130/85以上だったものが147/94以上になりました。これはかなりの引き上げですが、こうなると今まで高血圧症と言われ薬を飲んで来た人達が困惑します。「え?私たちはどうすれば・・?」
事実病院で血圧が130を1上回っただけで高血圧薬を処方されたと言うケースは日常茶飯事でした。断言できますがそんな数値でてんびんは主作用の方に傾きはしません。副作用の害の方が遥かに上と考えます。
日本ではこうした光景がまさに起き続けています。
いわゆる「患者の薬漬け」状態がそこかしこに見られます。
薬の弊害がこれだけ報じられ、医療費がこれだけ切迫している状況でも薬を出し続ける医師、必要の無い薬を飲まされ続ける患者。
日本はどこへ向かっているのでしょうか?
薬とはあくまでも「最後の砦」であり、諸刃の剣であることを自覚できている人が何と少ない事か。漢方は「薬」とされていますが化学薬品に頼らない自分の力を高めるものです。ですが使い方を間違えれば毒にもなり得ます。
漢方薬と化学薬品。
どちらもつかいどころを間違えずに上手に運用して行きたいものですね。
・・・ちなみに冒頭に書きました「薬(化学薬品)を1錠も飲んだ事のない人」。私はその一人です。