中国食肉問題に思う加工品の危険性
2014年7月26日 09:52「食の安全」のおはなし
これを書いている今、連日連夜中国の食肉問題がメディアを騒がしています。
やれどこどこのファストフード店に流通しただのどれほど劣悪なものを利用していただのとそういうところばかりがクローズアップされていますが、事の本質はちょっと違うところにあると私は思います。
今回本当に危惧しなくてはいけない事は「加工食品の内容を全て知る事は出来ない」と言う事です。
これが実は今回一番問題視されなくてはいけないところだと思うのです。どういう事かと言えば、加工食品はそもそも「安価で大量に生産する」という目的で作られて来た経緯があります。いつしかそこには見栄えを良くしたり、日持ちを良くする為に大量の添加物や保存料を入れる事が当たり前になり、結果、「安全性」であったり「栄養」と言った何よりも重視すべきものが置き去りになっていきました。
ファストフード店やコンビニに大量に陳列されている「見栄えのいい加工食品」、その実は今回白日の下に晒されたような見る事すらおぞましい原料が使われている事はそうそうないかもしれません。しかし、我々自身が望んだ「安くて」「見栄えが良く」「腐らない」ニーズを忠実に実現しているのは薬品まみれの現状である事もまた忘れてはなりません。
小さな子供達が美味しそうにそうした加工食品や清涼飲料水を口にしているのを見るだけで私は胸が苦しくなります。大人はもちろん自己責任で済まされればいいことかもしれませんが、ものを選ぶ事の出来ない子供達を守れるのは大人、それも親だけではないでしょうか。
当店に可愛いお子様をお連れになって相談にみえるお客様にもこうした意識が欠落している事が正直少なくありません。
今回の報道を見て一過性でまた「中国製品は怖い」とか「中国産は止めよう」と騒ぎ立てるだけでは事の本質を見ずに面白がって煽り、騒ぎ立てる低俗なワイドショーのマスコミと何ら変わりません。
今回の事件はそもそも私たち現代人、特に先進諸国の人間達が望んだ事から引き起こされた事件であり、こうした事件を1つの契機に私たちの歪んだ生活スタイルを見直してみてはいかがでしょうか。素材を吟味し、家庭できちんと調理する。健康と安全を考えた上でこれに勝る食生活はありません。
外食のすべてが悪い、などとは決して申しませんがやはりあくまでも家庭の味を第一にしていただきたいと思います。