漢方薬は贅沢品なのか?
2015年1月21日 13:18これだけはつたえたいお話
今日は思うことがありこのタイトルです。
先日お出でになった80代の女性のお悩み(ご相談へは娘様が代理来局)。主訴は脊椎の痛み。加齢によるもので病院では鎮痛剤以外の治療法はないという事でご紹介で当店へ。11月の中旬から服用し一ヶ月で痛みは劇的に改善。医者も目を丸くなされたということ。
そのご報告を耳にし、私も大変嬉しいお気持ちでおりましたが娘様が後に続いておっしゃられたのが「ただ、母の周りの親戚や友人が漢方薬なんて贅沢なものを飲んで、と責めるように言うので母も飲みにくいと言っているんです」というコメント。
確かに今回の場合金額的には一ヶ月で12000円程度をいただいており、決してお安い金額ではありません。しかし、しかしです。
いくつもの病院を回り、診察し、痛み止めを処方され、それを20年近く服用しても一向に良くならなかったという事実がまずあります。
ご年齢からすれば保険が効くわけで負担は1割ですのでご本人の負担は微々たるものかもしれませんがそれはあくまでも自己負担のお話であり、貴重な税金を用いて何十年も改善しない治療を続けてきたことはある種「贅沢」ではないのでしょうか?総額にしてみればかなりの大金を治療につぎ込んでおられることになるわけですから。
そんな症状がたった一ヶ月で劇的に改善した、という事実を見ていただいた上で「贅沢品だから」という言葉が出てくるということに私は正直漢方に対する現時点での世間様からの扱いの厳しさを痛感せざるを得ませんでした。
周りを見回してみれば対症療法を続け、治る見込みのない化学薬品を「いつか治る」と信じて何種類も飲み続け、結果として副作用で肝臓や腎臓を傷めておられる方が溢れています。
「病気になったら病院に行けばいい」「病院に行けば病気が治る」という考えで一体どれほどの無駄な医療費と税金が浪費されているのか。そしてこれをほとんどの方が当たり前のことだと認識している事の怖さ。
私は漢方薬が万能などとは言いません。
外科の分野など優れた西洋医学でしか治療できない事もたくさんありますし先進医療で驚くような回復を見せるケースも多くあるでしょう。
しかし漢方(正式に言えば中医学)は数千年という気が遠くなるほどの人体実験と言えるほどの治験を繰り返してある意味で確立されている医学です。たかだか100年や200年の歴史しかない西洋学では絶対に成し得ないような安定した「根本治療」の強みが溢れています。
事実、当店にお出でになる方は前述された女性も含め「病院でどうにもできなかった」方がほとんどです。その中で驚くような改善を漢方で成し遂げて行かれる方は正直申しまして後を絶ちません。これはあくまでも漢方・自然薬の実力であると私は誇りを持っております。
それだけに漢方を嗜好品だとか贅沢品として認識なさられることに直面いたしますと正直寂しく、悲しい気持ちになることもまた事実です。
今回のケースを通じ、私の力など微々たるものかもしれませんが、少なくとも当店においでいただきました大切なお客様に対しては漢方の素晴らしさ、本当の価値を実感していただけるように今後も全力で努めていこうと改めて強く誓うきっかけになりました。