1月の漢方基礎講座の風景
2017年1月27日 17:27漢方講座開催&参加募集
1月26日は「タクヤ先生の漢方基礎講座」でした。
今回のテーマは「ウイルス耐性をつける漢方」。
キーワードになったのは「扶正祛邪【ふせいきょじゃ】」というあまりみなさん聞きなれないであろう言葉。
扶正【ふせい】とは体を正常に保つためのエネルギー(免疫力、恒常性維持機能、回復力など)である「正気(せいき)」を増やす、助けるという治法のこと。漢方で言うといわゆる「補剤(ほざい)」と呼ばれるカテゴリの薬がこれに当たります。
簡単に言うと「元気をつけて病気を治す力をつける」ってことです。
祛邪【きょじゃ】とは体に害毒となる原因を体外へ除去させるという治法のこと。漢方で言うところの解表剤(げひょうざい)などがこれに当たります。簡単に言うと「悪いものをたたいて外に追い出す」ってことです。
現代の医学は西洋学が主体となっていますが、西洋学の治療は基本的には抗生物質や抗がん剤に代表されるように「祛邪」のスタイルであることがわかります。
この力自体は素晴らしいものと思いますが、残念なことに西洋学の治療には「扶正」のコンセプトがあまり見当たりません。
漢方を用いていると病気を治すためには「力」が必要であることが本当に日々実感できます。しかしこれは病気を叩くための力だけではなく、病気に立ち向かうための力も必要なのです。
抗生物質や抗がん剤で病原をたたいても結局体に力がなければ病気は根絶できません。
漢方の素晴らしさはひとつの漢方の中に「扶正」と「祛邪」がしっかりと含まれて形をなしている、という点。
数千年に及ぶ先人たちの知識の結集である東洋医学をもう一度化学的な観点ではなく、東洋医学そのものの考え方で学び直していただくと、今だからこそ見えてくる新鮮な発見にあふれています。
だから私は漢方が大好きです(^^)