良い形で閉経を迎えて その後の人生を健やかに
2010年2月15日 11:27生理のお話
以前にもお話したことがありますが、中医学の考えでは女性の体は「7の倍数」で年を取ると考えられています。(数千年も昔の定義ではありますが、人間である以上、この定義は現在でも続いております。)
そして「七七」の頃、つまり49歳前後になると女性の月経の機能と言うものは終わりを迎えます。
もちろん閉経自体は決して病気ではありませんが、メカニズムを考えれば幼少の頃からすくすくと培ってきた気や血、そして腎気と呼ばれる生命エネルギーが次第に枯渇し、月経機能を維持することが出来なくなるために起こると考えられており、月経が終わるというのは心身に大きな変化をもたらすということは間違いありません。
すなわち、これらのエネルギーがもともと少ない人は早く月経が終わったり、いわゆる「更年期障害」の症状がひどく出たりします。要するに閉経と言う体の急激な変化に精神や肉体がついていけずに不調をきたしてしまうというわけですね。
これはつまり、月経が終わった段階までの「体質」、「心質」、「生活環境」というものにその後の人生が大きく左右されるといっても過言ではないといます。
大事なのはその人個人に応じた閉経までの心身のケア、そして閉経時に自分の体のタイプを改めて認識し、それに対するケアと必要なものの補充を考えるということです。
一般に「更年期障害」といえば精神不安定、めまい、のぼせ(ホットフラッシュ)、耳鳴り、動悸などがあげられますが、どのような症状があったとしてもその裏には月経や生殖を支える力として存在してきたエネルギーの枯渇があると言う事も認識しなくてはいけません。
「個人のタイプに応じたケアとその根元にある弱体化したエネルギーの回復」が求められる、と言うわけです。
よく「更年期症状には〇〇!」というキャッチフレーズで多くの漢方が販売されていますが、こう考えれば万人に共通する更年期障害や閉経後対策の「万能薬」は存在しないと言うことになります。
これは全ての病気や普段からの漢方ケアに共通することですが、「〇〇という漢方を飲むと△△という病気にいいらしいよ」という言葉に流されず、まずはしっかりと専門知識を持ったところでご相談されることを強くお勧めいたします。
私は男性ですので閉経はもちろんありませんが、男性の更年期もしっかりと存在します。更年期は女性だけのものでは決してありませんので、私自身、日ごろから衰えないように効率的な漢方の服用を探っている毎日です。
良い人生は良い漢方との出会いから、といっても過言ではないと思います。