漢方の味は体質にあっていれば美味しい
2014年2月25日 16:46これだけはつたえたいお話
「今日は魚が食べたい」
そういう風に思うことってありますよね?そういう日に美味しいお肉を食べたとして、そりゃあまあ美味しいお肉なら美味しくいただけるでしょうけど何と無く気乗りしないものではないでしょうか?疲れている時に糖分をいつもよりも美味しく感じるのと似ていますよね。
これは体が欲しているものを美味しいと思っているわけであり、つまりはその成分を欲しているということになるわけです。
これは実は漢方薬にも言えます。
例えばこの時期、風邪をひいたとしましょう。
風邪のタイプは悪寒を伴うゾクゾクする気持ちの悪い風邪。寒いのに熱が出て辛い、というタイプです。
これは「冷えが原因」の風邪です。熱が出ているのは冷えた体を温めようとする体の正常な反応です。これを助けて治りを早くするにはどうしたらいいか?そう。体を温めてあげればいいんです。元の原因は「冷え」ですからね。そういう性質を持った漢方薬、そうですね葛根湯などを飲むのが正しいわけです。
これに対して寒気はなく、ただひたすら熱い、喉や唇もカラカラ・・という風邪のばあいはどうでしょうか?もうおわかりですよね?これは「熱そのものが原因」の風邪です。これに対しては体の中から湧き上がる余剰な熱を体の外に追い出してクールダウンさせてあげる漢方薬を飲まなくてはいけません。性質でいえば葛根湯とは真逆のものですね。
でもこれを理解せずに熱タイプの風に体を温める漢方を使ったらどうでしょうか。熱の発生を助長し症状を治すばかりか余計に辛い状況になることもあり得ます。
こういう時に飲む間違った漢方薬の味はひどく苦かったりすごく飲みにくかったりします。そりゃそうですよね体が無言の抵抗をしているわけです「今日はこれじゃない」と。
反対に適正な漢方薬を飲んだ時にはとてつもなく苦いとされているものでも抵抗なく、時には美味しく飲めてしまいます。
服用する漢方が体にとって正しいか否か、こういう原始的な方法も非常にわかりやすい指標になることを覚えておいてください。