その抗生剤、本当に必要ですか
2015年7月17日 10:15元気で長生きのお話
最近特にこういうご相談が多いのですが
「旅行先で冷たいものを摂りすぎてお腹を下したので病院に行ったら抗生剤をもらいました」
「一年中風邪を引き続けている。どこの病院に行ってどの抗生剤を飲んでも治らない」
うん。治らないよね。だって抗生剤飲んでますもの。
私のように37年間生まれてから一度も抗生剤を飲んだ事がなく、漢方薬だけで病気を治してきた自負のある人間から見ますと日本人の抗生剤に対する一種異様とも言える期待というか存在感をすごく感じてしまいます。
そもそも下痢や風邪で病院に行って「すっきり治った!」という話をあまり聞いた事がありません。
上の話に戻ってみますとまず「冷たいものを食べ過ぎてお腹を下した」と言っているのになんで抗生剤?菌体がいるから?漢方ならお腹を温める漢方でちょっと一時的に故障した機能を改善してあげれば勝手に下痢は止まります。
一年中風邪を引き続けている人は体の恒常性(健康を保とうとする力)が落ちているわけだからそこには必ず原因があるわけで疲労なのかストレスなのか、生活習慣と体質を見ながら弱っている部分を元気にする漢方薬を使えばそれが根本的な治療になっていくわけです。そこに「二次感染を予防する」という私からするとなんだかよくわからない理由で抗生剤などを飲み続ければなんといっても「生きるのを抗う」薬ですから長期で飲めばお腹の中の有益な善玉菌だって少なからず減ってしまうわけで、免疫機能の大部分を司る腸を弱らせる事で結果として病気になりやすい体を作っていくわけです。これ本末転倒ですよね。
実際うちにご相談にみえる小児のお客様の大半は抗生剤をはじめとした薬漬け状態で病気の根本治療を全くしていないために元々持っている元気になる力を押さえつけられていたお子さんばかり。子供に抗生剤の長期服用なんてよほどの理由がない限りさせては絶対にいけないと私は考えています。元気になる力を潰され続けていれば小児の時だけで治るはずのアレルギーだって大人になっても治らないことが多々あります。
もちろん人類への貢献を鑑みますと抗生物質の存在意義そのものを否定するわけではありませんが、「その症状に抗生剤必要?」と思う状態での使用が現代日本ではあまりにも多くありませんか?要するに「使いどころ」の見極めがあまりにもゆるゆるになっているように思えて仕方ありません。薬である以上、長期服用に絡むデメリットをもう少し考慮すべきではないでしょうか。
以前にも書きましたが、いわゆる風邪やインフルエンザはウイルスが主体で引き起こされるわけで、抗生物質はあくまで菌に対しての効果を期待するものでウイルスには全く効果がありません。「抗生物質を飲めば風邪が治る」という事をおっしゃる方が多いのですがそれはただの幻想ということになります。
善玉菌も叩く事で腸内環境を悪くする抗生物質を下痢の時に使う、というのが当たり前になっているのが今の日本の当たり前の西洋医療形態だとすると「病気だから」とまず病院に行く人がほとんどの今を凄く怖いと感じます。
日々私の文書をご覧いただいておられる皆様が当店にご相談にみえる際は願わくばそういった状況になっていなければ良いな、と思っている次第です。
その抗生剤、あなたの健康のために本当に必要ですか?