その眠気・だるさ 漢方のせいにしないで!
2015年7月18日 11:04これだけはつたえたいお話
当店では特に自律神経失調症・鬱・不眠、その他精神的失調に悩む方のご相談が大変に多く寄せられております。
その中で特に最近多いご報告・・というか・・私的には困りごとなのですが、「漢方を飲み始めてから漢方のせいで眠い(だるい)」というお声が続いています。
これを読むと「ムム!漢方にも副作用が!?」とお思いになる皆様もおられるでしょう。
でもね、ちょっと考えてみて欲しいのです。
こう言ったお声をお寄せいただきました方は例外に漏れず100%の確率で向精神薬や睡眠導入剤の服用をなされておられます。そしてこの方々はこれまた例外なく「漢方を飲み始めたら眠気や日中のだるさが増した」とおっしゃいます。
・・・これって漢方のせいですか?
私は確信をもって言いますが100%違います。
一言で言うのであれば眠気や日中のだるさはもともとお飲みいただいていた向精神薬や睡眠導入剤のただの副作用です。
こう言いますと「え?漢方飲むまでこんなに症状は強く出なかったよ!」と中にはお怒りになる方もおられました。
もう一度よく考えてみてください。
貴方はどういう目的で漢方薬を飲み始めましたか?
睡眠導入剤を飲まないと眠れないから。向精神薬が無いと気持ちが落ち着かないから。とにかく薬の依存から逃れたいから・・・ではなかったですか?
漢方薬はそうした化学物質による一種「ごまかし」や「薬によるコントロール」、「依存」から脱却するためにもともと持っておられた健全な肉体、健全な精神を取り戻すための「体の根っこへの肥料」です。
これを用いればどうなるか?少なくとも私の目的としては「健全な体に近づける」ために漢方をお出ししています。もちろん漢方薬に無理に眠気を誘発したり、高ぶった精神を無理やり沈静したり、ましてやだるさを誘発するような成分などは一切含まれていません(少なくともこう言ったお悩みの方にそんな類の薬は私は絶対に出しません)。
それなのになぜ眠気が増したのか?だるさが増したのか?ここまで来ればお分かりの方も多いと思います。そう、「漢方により体が正常(健全)な状態に近づいたから」だとは思いませんか?
正常な体や精神の方に睡眠導入剤も向精神薬も飲む必要はありません。飲めばどうなるか?もちろん眠くなりますし日中にだるくもなるでしょう。だってもともとそういう性質を持っているお薬ですからそれは当然です。むしろ「飲んでなんともない」という方が異常な状態であるということをまずはご認識ください。
本日先ほども「漢方を飲んでしばらくしたら眠気とだるさが増したので自分の判断で(漢方を)飲むのをやめていました。漢方薬の副作用だと思ったので」というお問い合わせをいただきました。
なぜそこで「西洋薬を止める」と言う発想がなく、「漢方薬の副作用」という発想になってしまうのか。それこそが西洋薬の依存であり、言葉を強くすれば「中毒症状」であると私は思っています。
何度でも言います。それは「漢方薬の副作用」などというものでは決してありません。どうかご自身の判断で漢方薬を貶めるようなことをなさらないで下さい。何かご不安なことがあれば必ずご相談ください。漢方を愛するものとしてこれほど悲しい気持ちになることはありません。
もちろん私からも今後は漢方の服用前にこうした話を今以上にきっちりとさせていただくことを徹底していこうと考えております。こうした教訓は私自身の説明の不十分さや不備を反省する良い機会にもなりますので感謝の気持ちを持ってまた次のご相談に臨みたいと思っております。