梅雨時期の皮膚の増悪は「湿熱」を知れば対策できます
2022年5月17日 11:19皮膚のお話
梅雨の時期、湿気が多くなってくると皮膚症状の増悪を訴える方が増えます。
これは「湿熱(しつねつ)」という病態が関与していることが多いんです。
中医学の言葉ですが、もともと湿熱というのは食べすぎ・飲みすぎが主の原因です。
体内にたまり過ぎた不要な「水」と「熱」が、気や血のめぐりを邪魔して、様々な不調が起こっている状態、と説明することが多いものです。
体に過剰に停滞してしまった「水」は時間とともにじわじわと熱を持ち始めます。
これが原因で起こる症状としては・太り気味・汗をかきやすい・顔色が紅い・暑がり・のどが渇く・においの強い粘ついた便が出る・湿疹がでる・化膿しやすいなどが見られます。
ジクジクとした滲出液が出たり、湿性の湿疹が出やすい、皮膚の化膿を伴う症状が出る、などというのが皮膚に起こる特徴です。梅雨時期の皮膚状態の増悪に関してはこの湿熱を体内から除去するような漢方薬が効果を発揮することも多いです。
こうした湿熱を溜め込みやすいタイプの方は胃腸系がもともと虚弱な方や、胃腸に負荷をかけて弱らせている人が多いこともあり、胃腸系の働きを整えながら水分代謝を上げていくような力を持つ漢方薬が選ばれることが多いので、茵蔯五苓散、茵蔯蒿湯、瀉火利湿顆粒、平胃散などが一般的となります。
この中でどの漢方薬を選ぶか、というのはやはり専門知識は必要になってきます。皮膚疾患においては漢方薬の使い方を間違えると増悪することも多いので必ずご相談はいただくようにお願いしたいと思います。
胃腸ケアを心がけつつ、これからの時期を健やかにお過ごしいただければと思います!